2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25463086
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
二宮 嘉昭 広島大学, 大学病院, 助教 (60335685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武知 正晃 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 准教授 (00304535)
中川 貴之 広島大学, 大学病院, 病院助教 (30456230)
南 正彦 広島大学, 大学病院, その他 (90625980) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 顎骨骨髄炎 / 無機材料 / 有機材料 / 高機能性薬物徐放担体 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの顎骨骨髄炎の研究は単一(無機)材料を主体にした研究が行われていた。無機材料は、形態付与が困難で溶解・吸収性の面で問題点があり、有機材料は形態付与が容易で加水分解して生体内に吸収されるが、その分解過程で炎症を惹起することがある。そこで今回は、有機・無機材料の欠点を補い、かつ利点を生かした複合材料(ハイブリッド材料)の開発を行い、その後各種抗菌薬を含有させた高機能性薬物徐放担体の開発を行うことが、顎骨骨髄炎への基礎的研究に有効であると考えた。材料として有機材料はpoly(L-lactic acid)(PLLA)とpoly(DL-lactic-co-glycolic acid)(PLGA)の共重合体を使用し、無機材料はリン酸カルシウム(α-TCPあるいはβ-TCP)を複合させた材料である。溶解性に優れた本材料はインテリジェントマテリアルとして期待している。本研究に関連する国内・国外の研究動向及び位置づけとしては、欧州および北米で、無機材料であるアパタイトセメントの臨床応用が数年前から行われており、本邦においても平成12年にアパタイトセメントの臨床応用が許可されたため、アパタイトセメントに関する研究は国内外で活発に研究されている。本研究は、これまでの研究をさらに発展させ有機材料と無機材料の長所を生かし、生体内の環境に順応したインテリジェントマテリアルを作成し、それに各種抗菌薬を含有させ高機能性薬物徐法担体を開発することを目的としていることから国内・国外の生体材料研究における先駆的研究であると考えられる。各種抗菌薬を含有させた高機能性薬物徐法担体が開発されれば、国内・国外の生体材料研究における先駆的研究になるとともに、顎骨骨髄炎の治療期間を短縮できるため臨床応用に即した画期的な研究になると考えられる。
|