2013 Fiscal Year Research-status Report
新しい象牙質形成不全症モデルを用いたV型コラーゲンの発現機序の解明
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25463202
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40200018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
下田 信治 鶴見大学, 歯学部, 教授 (30139620)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Zip13 / 象牙質形成不全 / H.E / 鍍銀染色 / 透過型電子顕微鏡所見 / 免疫染色 / コラーゲンI型抗体 / マウス |
Research Abstract |
1.H.E.染色(2週齢から12週齢)WTマウスは、2週齢から12週齢にかけ均一な象牙質が形成されていた。一方、Zip13KOは、2週齢では、象牙質の成長が遅く、4週齢までの象牙質は薄く、象牙細管の走行が不規則で形成量も減少しており、層板状の成長線様構造を認めた。しかし、12週齢の歯根象牙質では、4週齢までに形成された不規則な成長線様構造は観察されるものの、その歯髄側に新たな象牙質が添加された。 2.鍍銀染色(6週齢、12週齢)4週齢までに形成された象牙質とそれ以降に形成された象牙質のコラーゲンの形態学的観察を行うため、6週齢と12週齢のWT マウスとZip13KOで比較検討したところ、WTマウスでは、象牙質に均一な線維が確認できた。一方、Zip13KOは、4週齢までの象牙質は細く周期的コラーゲン線維の沈着を認めたが、4週齢以降に形成された象牙質においては、均一なコラーゲン線維であった。 3. 透過型電子顕微鏡像所見(12週齢)WTマウスの象牙質中のコラーゲン線維は、切片上で種々の方向に錯走しており、太さもほぼ均一であり密集していた。一方、Zip13KOは、12週齢まで形成された象牙質では、コラーゲン線維の密度が少なく線維の太さにばらつきがみられた。 4.コラーゲンI型抗体の免疫染色(2週齢から12週齢までのコラーゲンI型の発現経過)WTマウスは、生後2週齢から12週齢のすべての週齢の象牙質において、I型コラーゲンに対する免疫反応は弱かった。一方、Zip13KOは、2週齢において発現は認められなかったが、4週齢では発現が認められた。4週齢以降に形成された象牙質では、WTマウスと同様に免疫反応は弱かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Zip13KOマウスならびにWTマウスの形態観察(H.E染色、鍍銀染色)ならびに微細構造観察(TEM,SEM)については研究実績に示した通り、観察が済んでいる。 免疫染色についてコラーゲンI型抗体については観察を終えている。コラーゲンIII型抗体、V型抗体については現在研究を進めているところである。 また、ヒト象牙質形成不全症の抜去歯の収集を行っている。 上記のことにより、25年度については実験計画書に示したことがおおむね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
象牙質形成不全症を伴う骨形成不全症の抜去乳歯について形態観察を行う予定である。Zip13KOマウスの表現型と比べて考察したいと考えている。また、骨形成不全症の患児について患児の保護者の同意が得られたならば原因遺伝子の解明、また遺伝解析を行いZip13遺伝子について調べる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
TEM観察用試料を作製する際に使用するダイヤモンドナイフを新たに購入せずに既存のものを使用したため物品費の使用額に差が生じた。 また、予定していた免疫染色の外部委託についても依頼せずに行うことができた。 前年度に得られた結果と本年度に出る予定の結果を海外の学会で報告する。25年度の残金とあわせ、海外の学会への参加費用、旅費にあてたいと考えている。
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Research Products
(4 results)