2015 Fiscal Year Annual Research Report
新しい象牙質形成不全症モデルを用いたV型コラーゲンの発現機序の解明
Project/Area Number |
25463202
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (40200018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
下田 信治 鶴見大学, 歯学部, 教授 (30139620)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Zip13KOマウス / 歯根象牙質 / 象牙芽細胞 / コラーゲン線維 / Ⅰ型コラーゲン / 象牙質形成不全症 / 脱落乳歯 / 鍍銀染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
新しい象牙質形成不全症モデルとなるZip13KOマウス(KOマウスとする)は様々な歯科的異常を呈する。切歯部では破折や彎曲など、臼歯部では歯根象牙質の著名な質的な減少を認めた。4週齢までに形成された歯根象牙質は野生型マウス(WTマウスとする)と比べて歯根象牙質の厚さは極めて薄く、不規則な成長線があることがHE染色や鍍銀染色から認められた。透過型電子顕微鏡観察からKOマウスの歯根はコラーゲン線維の密度が少なく、線維の太さが不均一であることが認められた。これらの4週齢までに認められた歯根象牙質の形成異常はⅠ型コラーゲンの量的、質的な異常が誘因となっている可能性が高い。ISHからコラーゲンⅢ型、Ⅴ型はWTマウスとKOマウスの間で明瞭な違いを見出すことはできなかった。免疫染色からⅠ型コラーゲンはKOマウスの4週齢以降では歯槽骨、セメント質、外套象牙質と象牙質の成長線のところで強く発色していたが、2週齢以降のWTマウスでは歯槽骨、セメント質ならびに外套象牙質以外での発色は見られなかった。2週齢、3週齢のKOならびにWTマウスでCOL1α1,α2,COL5αのISHを行ったが、差はみられなかった。 KOマウスとWTマウスの象牙質に鍍銀染色を行ったところ歯髄細胞から分泌されるコラーゲン線維に明らかな違いがみられた。歯髄細胞に由来するコルフの線維がKOマウスで顕著に少なかった。 ヒト骨形成不全症(OI)脱落乳歯と健常な脱落乳歯の形態的な比較を行った。OI脱落乳歯ではKOマウスと同様に不規則な成長線がみられた。研磨標本からも象牙細管は少なく長さも不均一であった。OI脱落乳歯には象牙芽細胞はほとんど見られなかったが、象牙質は存在していたため、象牙質基質線維の分泌には必ずしも象牙芽細胞は必要でなく、歯髄細胞(線維芽細胞)が関与していると考えられる。
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Research Products
(2 results)