2013 Fiscal Year Research-status Report
齲蝕関連細菌群をターゲットとした歯垢バイオフィルムの多角的解析と齲蝕予防への展開
Project/Area Number |
25463237
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松山 順子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30293236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 拓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (10303132)
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20400260)
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50313549)
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔細菌 / 齲蝕 / 小児 / マウス / プラーク / PCRシークエンス法 |
Research Abstract |
齲蝕発症初期段階の歯垢バイオフィルムでは、細菌の構成割合、代謝産物、pHなどが変化し、バイオフィルムのシフトが起きるといわれている。すなわち、齲蝕病原性の高いバイオフィルムへシフトする前段階で、齲蝕関連細菌群の増加という極めて興味深い動態変化が起きている。本研究では、初期齲蝕発症前段階の歯垢バイオフィルム内で、齲蝕病原性細菌群の増加に先だって、齲蝕関連細菌群が動態変化を起こすことに着目し、齲蝕関連細菌群の量的・質的動態変化を多角的アプローチにより解析することを目的としている。 まずは、口腔内疾患モデルとして使われるゲッ歯類の口腔内プラーク常在菌叢についての網羅的解析を行った。生後3・6週齢および9か月齢のICRマウスを用いて口腔内プラークを採取し、緩衝液に浸漬し、試料とした。分散均一化、希釈後、CDC血液寒天平板に摂取し、嫌気培養後、生育したコロニーから細菌量(CFU)を求めた。さらに16S rRNA PCRシークエンス法によって細菌種を同定し、細菌構成について解析した。 3週齢および6週齢の優勢菌は、それぞれEnterococcus (53%、31%)、Escherichia (19%、26%)、Lactobacillus (17%、21%)、Lactococcus (8.5%、8.3%)であった。一方、9か月齢れは、Lactobacillus (83%)、)、Lactococcus (8.6%)が優勢であった。本研究で、離乳前後および成熟したマウスプラークの細菌構成が、培養とシークエンス解析を組み合わせた生物学的手法によって、明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
齲蝕実験モデルとなる、マウス口腔内プラークの細菌叢について、PCRシークエンス法によって細菌構成を明らかにすることができ、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までの研究により、齲蝕モデルとしてのマウス口腔内細菌構成を明らかとなったが、今後は、齲蝕発症前後のモデルとしての細菌構成の変化を解析すると同時に、 さらに、ヒトプラークにおける細菌構成についても同様の手法を用いて明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が年度末にかかり、次年度と連続させて研究計画を継続する必要があるため。 平成25年度と同様に継続して行う。
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Research Products
(5 results)