2013 Fiscal Year Research-status Report
新卒看護師の職場定着をめざした社会化支援プログラムの開発
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25463283
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 真由美 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80336429)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護管理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新卒看護師の社会化と社会化支援策を評価し、新卒看護師の職場定着のための社会化支援プログラムを開発することである。 今年度は、文献検討に加え、プログラム開発の基礎資料とするため、これまでに行ってきた研究のデータを分析し、新卒看護師の社会化と、社会化支援策である周囲の先輩看護師が行う「関わり」のモデルの検証を行った。200~1300床の医療機関235施設2350名の新卒看護師に研究協力を依頼し、526名(回収率22.4%)から返送を得た。関わり調査票、社会化調査票、Burnoutスケールの3つの尺度と、現在の職場定着意思に欠損値のない456名(有効回答率86.7%)を分析対象とした。 新卒看護師の認識した社会化の状況は就職後5~6ヶ月後の時点では成長途上にあり、「関わり」を認識することが最も大きく影響を与えていた。「関わり」によって「社会化」をもたらすといえる。さらに、「社会化」を経た「関わり」から「離職意思」への負の間接効果は直接的効果の1.5倍であることから、「社会化」を推進することの重要性が明らかとなった。「関わり」がリアリティショックを低減して離職意思を低減し、「職場定着意思」につながることが示唆される。しかし職場定着意思の説明率は十分ではないことから、他の要因を探求する必要がある。適合度指標は、GFI=0.983、AGFI=0.950、CFI=0.988、RMSEA=0.071であった。 モデルの適合度の値から、仮定したモデルは新卒看護師が認識した社会化の状況と、社会化支援策である「関わり」の関連性を検討するモデルとして受容できる。また、新卒看護師にどう仕事を教えるかを示した点で研修指導者用プログラムへの活用可能性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
職場定着意思に関連した質問項目の精選などが文献検討と合わせて課題として残り現在進捗中であるため、計画的に進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は目的を達成するため、①新卒看護師の社会化の状況と先輩看護師からうけた社会化支援策の評価、②新卒看護師の社会化の状況と先輩看護師が行う社会化支援策の関連、③社会化支援プログラム導入による新卒看護師の社会化の状況と社会化支援策の評価、の3つの課題を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた質問紙調査について、2年目以降に時期をずらして2度実施する計画に変更したため、次年度使用額が生じた。 郵送費として計上していた金額を次年度分として使用する。
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Research Products
(1 results)