2013 Fiscal Year Research-status Report
がん患者のための受動的筋弛緩法プログラムの作成と評価に関する研究
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25463294
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
近藤 由香 信州大学, 医学部, 准教授 (00369357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小板橋 喜久代 群馬大学, 名誉教授 (80100600)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リラクセーション / 筋弛緩法 / がん患者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん患者のための受動的筋弛緩法プログラムと教材を作成し、その有効性を評価することであった。 今年度は以前研究代表者らが作成したCD教材(能動的漸進的筋弛緩法)や先行文献を参考に、受動的筋弛緩法のプログラム、CD教材を作成した。部位は上肢(前腕・上腕)、下肢(大腿・下腿)、肛門・腰・腹・胸、肩・首、顔とした。具体的には、①筋肉に意識を向けて、筋肉の緊張している部位を探す、②筋肉の緊張している部位に意識を集中させる、③息を吐き出しながら身体の力を一気に抜く、④筋肉の力を抜く前と抜いた後の感覚の違いを比べながら進める、⑤腹式呼吸をしながら身体に緊張が残っていないかを確認する方法であり、時間は約13分間であった。内容については専門家と相談しながら妥当性について検討した。受動的筋弛緩法は、筋肉を緊張させずに弛緩のみを進めていく方法であるため、がん患者など体力が低下した患者には負荷がかかりにくいといわれている。今回、受動的筋弛緩法プログラムと教材を作成したことによって、がん患者など体力の低下した人々が、負荷が少なく実施することができる。また、受動的筋弛緩法は、がん患者以外の患者にとっても症状緩和などにも役立つ可能性があり、人々の安楽に寄与し、QOLの維持向上につながっていくと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度の目標である受動的筋弛緩法のプログラムと教材(CD)の作成は達成できたためおおむね順調であると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度の目標は健常者に今回作成した受動的筋弛緩法のプログラムの介入を行い、その有効性を評価することである。 対象者を受動的筋弛緩法介入群、能動的筋弛緩法介入群、対照群のグループに分けて、受動的筋弛緩法のプログラムの有効性を評価していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
受動的筋弛緩法プログラムとそのCDの制作費と旅費が、当初研究計画で見込んでいた額よりも安価で研究が遂行できたため、次年度の使用額が生じたためである。 作成した受動的筋弛緩法プログラムの有効性を検証するために、唾液中コルチゾールと唾液中分泌型免疫グロブリンAの測定を業者に依頼するために費用を要する。また対象者がCDを聴くため音楽機器や学会発表においても費用を要するため、残額と平成26年度の経費を使用する予定である。
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