2016 Fiscal Year Annual Research Report
Team Medicine Education in Basic Nursing Education in Japan
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25463298
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
林 智子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (70324514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 香積 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (00362343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 伝統的チーム医療 / 新しいチーム医療 / 価値の対立 / IPE / チーム医療教育 / 医療専門職 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では従来から各々の医療専門職が国家資格によって規定された医療業務を、独立性の保たれた関係性のなかで遂行することを伝統的に「チーム医療」としてきた。そのため、職種間で連携協働するという土壌が育っておらず、専門性の違いから価値が対立し、連携や協働を妨げていることが指摘されている。 私たちは学部学生へのチーム医療教育に携わるなかで、医療現場の実際の医療チームで起こっているリアリティを取り入れた教育が必要であると考え、新しい教育プログラム開発の示唆を得るために、現場でチーム医療を担う多職種専門職186名を対象にチーム医療に対する認識を調査した。その結果、連携を行う上で【専門性を尊重した連携の困難さ】【専門性を発揮する困難さ】【業務負担】を抽出し、専門性の高い異なる医療職が連携するなかで特有の課題があることが示された。 また、資格を取得して医療専門職となってから連携や協働を行うのでは遅すぎることが指摘され、資格取得前の医療職養成教育でのIPEが広まっている。そこで、日本における看護基礎教育でのチーム医療教育に関する調査として、看護学校でのチーム医療教育の現状と課題を明らかにすることを目的として質問紙調査を行った。調査対象は3年課程の看護学校において、カリキュラム運営に責任のある立場の99名であった。看護基礎教育におけるチーム医療教育の必要性とチーム医療教育の現状を自由記述で回答を求めた。その結果、多職種連携教育を含むチーム医療教育に対する看護教員の認識が異なること、多職種連携教育の実現可能性の認識が低いという2つの課題が明確となった。その背景には看護教員の多職種連携教育に対する理解不足があり、単科の看護学校であっても他の専門職の養成施設とネットワークをつくれるような支援の必要性が示唆された。
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