2014 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の周辺症状及び虚弱を指標とした転倒予測アセスメントツールの開発
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25463301
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
福間 美紀 島根大学, 医学部, 准教授 (40325056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津本 周作 島根大学, 医学部, 教授 (10251555)
小林 幸恵 活水女子大学, 看護学部, 准教授 (20325062)
内田 宏美 島根大学, 医学部, 教授 (30243083)
津本 優子 島根大学, 医学部, 准教授 (30346390)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 認知症 / 転倒 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)プレテストとして、特定機能病院に入院した65歳以上の高齢者を対象20名に、入院期間中の身体機能、認知機能等を前向き調査した。対象者の基礎疾患は、高血圧が9名(45%)で最も多く、次いで白内障と骨関節疾患5名(25%)、認知症1名であった。栄養状態は、BMI平均値が22.1±4.7、筋肉量平均値が37.9±4.6であった。身体機能は、握力平均値が15.0±5.4、要介護認定を受けている者が12人(60%)であった。転倒ハイリスク患者は、泉が4名、STRATIFY が5名、MFSが8名であった。認知機能はCADIの平均値が5.5±2.0で、認知機能が低下している者が7名であった。泉とMFSは強い正の相関があったが(r=0.715,p=0.001)、転倒スケールと認知機能では関連は認められなかった。また、入院期間中の転倒者はなかった。対象者のうち認知症と診断されている者は1名のみであったが、認知機能の測定により認知機能の低下を認めた者は7名であったことから、高齢者の認知機能評価とその看護の重要性が示唆された。 2)65歳以上の高齢者の転倒とMMSEとの関連、転倒に関連する要因を明らかすることを目的に検証した。対象は雲南市に居住する認知症の診断を受けていない65歳以上の高齢者98名をとした。転倒と関連要因の相関と重回帰分析を行った。対象者の年齢は82.3±5.5歳、性別は男26名(29.9%)であった。この1年で転倒経験があるものが35名(40.2%)で、転倒不安があるものが61名(70.1%)であった。MMSE 24.4±2.9点、GDS 5.5±3.1点であった。転倒経験は外出頻度の減少と相関があり、外出頻度は転倒経験とGDSと相関があった。MMSEは,年齢と握力と相関があった。重回帰分析の結果、転倒経験は外出頻度(β=-0.26,p=0.013)、椅子からの立ち上がり(β=-0249,p=0.018)で、MMSEとの関連は証明されなかった。しかし、転倒は、外出頻度が少なくなることで筋力が低下し、椅子からの立ち上がりにも困難を感じていると推察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に実施する予定であった医療機関での高齢者の認知機能検査および転倒の追跡調査を終えている。現在分析途中であるが、27年度に国際学会発表に採択されている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、医療機関に入院した高齢者の転倒予測因子として認知機能と虚弱を仮説としてあげていたが、特定機能病院での転倒発生率がきわめて低い現状であることがわかった。したがって、追跡調査と同時に、他の医療保険福祉施設での転倒と認知機能、虚弱との関連を検証するとともに、特定機能病院の看護師が認知機能の低下した高齢者の転倒予測をどのように鈴料判断しているか、質的機能的に検証することとする。
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Causes of Carryover |
遠隔地の研究協力施設との調整をすすめていく過程で、抽出が遅れたため、次年度に繰り越した
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、遠隔地域の協力施設での調査を始める
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Research Products
(7 results)