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2014 Fiscal Year Research-status Report

北海道における患者会を主体とした自助行動としてのHOT患者災害時避難システム

Research Project

Project/Area Number 25463307
Research InstitutionSapporo City University

Principal Investigator

工藤 京子  札幌市立大学, 看護学部, 助教 (80452994)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中村 恵子  札幌市立大学, 看護学部, 教授 (70255412)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords在宅酸素療法 / 災害
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、北海道におけるHOT(Home Oxygen Therapy:在宅酸素療法)利用者の患者会が主体となった自助行動としての災害時避難システムの構築である。平成26年度には、まず、北海道内にある16ヶ所の在宅酸素業者の災害に対する認識と取り組みについて事業所責任者へのアンケート調査を実施した。また、これまでの災害におけるHOT患者の避難状況を明らかにするために、東日本大震災時における避難状況について、岩手、仙台、福島の患者にインタビュー調査を実施した。
これら2つの調査の結果、過去の災害時の状況としては、岩手と仙台に比べて、福島は原発の問題から避難状況が異なっていたことが明らかとなった。岩手と仙台では、一時的に避難所に行っても、すぐに自宅に戻るか知人宅に移っており、酸素をつけて避難所に滞在できる状況ではなかった。そして、酸素量は普段よりも減らし、極力安静にするという工夫をしていた。しかし、福島の原発付近在住の患者は、自宅から次々と強制的に避難場所を移動させられていた。移動先でも重傷者を優先する事から酸素が与えられず、死を意識するなど過酷な避難体験をしていた。なお、調査した患者の中でかかりつけの病院に行った者はおらず、HOT患者にとって災害時に必要なのは医療機関というより酸素業者との繋がりであると思われた。
道内の酸素業者の調査では、どの酸素業者も災害を意識しているものの、実際に災害をシミュレーションするまでの取り組みは行なわれていなかった。また、1人の担当者が受け持つ患者が100人以上の事業所もあり、実際の大災害時には対応困難の可能性も示唆された。しかし多くの業者が患者会の取り組みには協力したいという意思があり、今後、何らかの形で連携していく可能性はあると考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度行なったことは、前年度に実施する予定であったため、当初の予定には追いついていない。昨年、実施できなかった理由が、患者会の会長が亡くなり、会の存続が危機的状況になったためであったが、この1年間、患者会の運営をバックアップしたことで何とか軌道にのってきている。患者会は、会員が患者である点から体調面を踏まえて、無理のない程度に新たな取り組みを実施していく必要があるが、災害についての心配は常にあることから、これからも会の運営のサポートとともに計画を進めていく。

Strategy for Future Research Activity

これまでの調査結果から、HOT患者の災害避難時の課題を抽出する。その後、災害避難マニュアルと災害避難カードを作成する。現在考えているのは、おくすり手帳と合体させるという案である。マニュアルなどがいくつにも分かれていると、結局使用できないと思われ、できるだけシンプルに、そして通常でも使えるという点を重視していく。
現在、道内の酸素業者の窓口担当者との繋がりはできている。また、日本呼吸器学会の北海道支部との話し合いも実施して、医師と患者会との連携も約束してもらっていることから、今後は、これらの機関を活用して、患者会に入っていないHOT患者にもマニュアルなどが配付できたらと考えている。

Causes of Carryover

当初の予定であるマニュアルや避難カードの作成費用分をまだ消化していないため、その費用と送料が今後必要である。災害対策に向けた講演会を予定していたが、難病連の全道集会で招待された岩手の酸素業者である株式会社北良の笠井社長が引きつづき「低肺の会」の交流会に参加してくれたため、交通費や謝金がかからなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

災害避難マニュアルの印刷、カード作成費用に使用する。
災害の避難についての講演会を考えており、その講師費用に使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 北海道における低肺機能患者の災害に対する認識2014

    • Author(s)
      工藤京子、中村惠子、照井レナ
    • Organizer
      第34回日本看護科学学会学術集会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2014-11-30
  • [Presentation] 在宅酸素療法患者の災害に対する認識2014

    • Author(s)
      工藤京子、中村惠子
    • Organizer
      第24回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会
    • Place of Presentation
      ホテル日航奈良
    • Year and Date
      2014-10-24

URL: 

Published: 2016-05-27  

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