2014 Fiscal Year Research-status Report
新人看護師の知の構築プロセスの可視化とキャリア形成評価ツールの開発
Project/Area Number |
25463308
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
杉田 久子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (90316258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐津 ふさ 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (20285539)
西村 歌織 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (20337041)
福井 純子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (10632565)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 新人看護師 / 臨床看護実践 / 継続教育 / キャリア教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の平成26年度課題は、①2年目看護師の知の様相を明らかにすること、②キャリア形成に必要な要素の抽出と、2年目自己評価ツールの原案の作成である。 ①2年目看護師の知の様相を明らかにすることに関しては、平成25年度に引き続き研究対象となっている2施設に対して、任意の研究参加者を募り実施している。これまで実績や施設事情を踏まえ、年2~3回の「臨床看護実践を語る会」では、結果として参加者が僅少ながらも、質の良いデータが得られている。予備的に先行実施しているインタビュー結果の分析から、2年目看護師は、「自己成長や達成感を感じつつも、自分が思い描く理想の看護師像とのギャップを同時に感じている」渦中にあって、「業務偏重で環境にのまれる状況から脱却し、患者と向き合う実践からの学びから新たな意味を見いだす」という転換点を迎えているという知の様相が明らかとなった。引き続き、新人看護師が3年目看護師となり、「臨床看護実践を語る会」を実施する予定である。 ②キャリア形成に必要な要素の抽出と、2年目自己評価ツールの原案の作成に関しては、①の分析結果を照合させながら、継続的・縦断的なデータ解釈によって抽出する必要があるが、「臨床看護実践を語る会」への任意参加者が僅少であったため、データ量として不足していることから、十分な抽出には至っていない。最終年度にかけてさらに研究参加者を確保するように調整する予定である。現時点においては、2年目看護師の特徴として、新人(1年目)看護師では個人知の様相が主であったが、看護実践の審美性にも着目されていることや、またそのことをケア実践者として継承する自覚が芽生えているという特徴が分析結果として見いだされていることを踏まえ、これらを着眼点として、キャリア形成要素の抽出を引き続き行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「臨床看護実践を語る会」を開催するにあたり、当該年度において本研究で対象とする2年目看護師は、研究対象施設の研修が多いため、それに加えての研究参加となると、任意性を重んじるあまりに、予定よりも研究参加者が少ない結果となった。得られた語りの質的データは豊かな内容ではあるものの、分析データとしては量的にも十分とは言えない。したがって、データ分析については、追加のデータ内容を加味した上で実施する予定である。しかしながら、先行する予備調査では、ある程度の実績を得ているため、並行した分析が可能であることから、やや遅れているが目的達成は可能とみている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集方法として、平成26年度実施の2年目看護師の「臨床看護実践を語る会」参加者が僅少であったことを踏まえ、最終年度は3年目看護師に継続して語る会を実施するに加え、2年目看護師についても並行して実施し、分析データ量を確保することとする。当初の計画では、「臨床看護実践を語る会」は年4回実施するとしていたが、参加者の語りは豊かであることが確認されており、研究対象施設の研修等の状況を加味して、年2回~3回の実施とする。得られたデータは、先行研究の結果を踏まえ分析を同時並行的に行い、キャリア形成要素の抽出を行い、自己評価ツールの原案の作成をする予定である。
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Causes of Carryover |
「臨床看護実践を語る会」の開催回数が当初の予定よりも減じたことや、研究参加者の実数が減じているため、結果として得られたデータ総量が少ないことに伴う業務委託費が当初の予定よりも減じたためと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度では、再度2年目看護師に対する研究参加者を募ることに伴う予算の計上が必要である。参加者増に伴い、データ起こしなどの業務委託費が増額される予定であり、加えて最終年度にあたり報告書編纂費用に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)