2014 Fiscal Year Research-status Report
高度実践看護師の臨床推論・判断能力を強化するシミュレーション教育プログラムの開発
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25463309
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
菅原 美樹 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (60452992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 恵子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (70255412)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高度実践看護師 / シミュレーション教育 / フィジカルアセスメント / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、クリティカルケア領域の高度実践看護師の臨床推論・判断能力を強化し、評価するためのシミュレーション学習プログラムを開発することである。平成26年度は、以下の3つを実施した。 1.シミュレーション教育の評価に関する海外の情報収集を行なった。CINAHL・MEDLINEから入手した文献と大学ホームページを対象とした。結果、アメリカでは高度実践看護師(APN)のプログラムにシミュレーションを活用した報告があったが、教育効果を評価する方法については、現在検討段階にあることがわかった。イギリスやオーストラリアで評価にOSCEを活用している報告がみられた。 2.文献およびホームページの情報からイギリスのロンドンサウスバンク大学(LSBU)の視察を実施した。LSBUでナースプラクティショナー(NP)コースの主任講師を務めるWard氏に教育プログラムとOSCE評価の現状について調査した。また、上級講師であるPatel氏が担当する「Advanced Assessment Skills for Clinical Practice」の授業を参観した。高度実践看護師を目指す院生は、授業で学んだスキルを各職場においてメンターの指導の下に実践しながらスキルを向上させ、OSCEによってその到達度評価を受けていることが確認できた。また、院生は職場勤務を継続しながら学んでいる者が殆どであり、各職場で自分のメンターとなる医師やクリニカル・ナース・スペシャリスト(CNS)、NPを自分で依頼し、自身の臨床実践能力の向上を図っているとのことであった。 3.シミュレーション学習用に作成したシナリオ・評価項目・基準を再検討した。LSBUでのOSCE評価を参考にして、平成25年度に大学院生を対象に試用した結果を基に課題の妥当性・難易度、シナリオの分かり易さの観点から評価項目・基準等を修正した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、国内で高度実践看護師の教育課程でシミュレーション教育を導入している教育機関の視察、模擬患者を活用したシナリオ作成とそのトレーニングも計画していたが、実施に至らなかった。その理由として、タイムスケジュール管理が不十分であった。海外視察の日程および内容調整に難航し、視察が年度末の3月中旬になったことに伴い、国内の教育機関の視察や模擬患者を活用したシナリオ作成とトレーニングの時間確保が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
模擬患者への依頼・説明、トレーニングにかかる時間を含めて、研究のタイムスケジュールを見直し進める。また、国内で高度実践看護師の養成にシミュレーション教育を導入している教育機関の視察を計画し、相互発展的に情報・意見交換が行えるようにする。
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Causes of Carryover |
①シミュレーション教育専用のパーソナルコンピューターとLEDプロジェクターが未購入であるため生じた。②模擬患者への説明会やトレーニングが未実施のため、その交通費・謝金の未払い分として生じた。③国内のシミュレーション教育を実施している教育機関の視察を計画していたが、未実施のため生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
①教育用のパーソナルコンピューターとLEDプロジェクターを購入する。 ②模擬患者の交通費・謝金として使用する。 ③国内のシミュレーション教育機関の視察旅費として使用する。
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