2014 Fiscal Year Research-status Report
看護学実習における自律的学習推進システムの完成と普及-問題自己診断尺度を加えて-
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25463314
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
山下 暢子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (30279632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟島 なをみ 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00229098)
中山 登志子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (60415560)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護教育学 / 看護学実習 / 看護学生 / 自律的学習 / 問題自己診断尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学生が看護学実習中の「問題」と「学習状況」を自己評価し、問題解決に向けて自律的に学習を進めるための「看護学実習における自律的学習推進システム」の完成と普及を目的とする。この目的達成に向け、平成26年度は、次のように研究を実施した。 1.看護学実習中の学生が直面する問題に関する追加データの収集と分析:実習中の学生が直面する問題の解明に向けて、既に約250のデータを収集していた。しかし、一般化できる研究成果を得るためには、残り約50データ、合計約300データが必要であった。そこで、ネットワークサンプリングにより抽出した看護基礎教育機関10校に在籍する学生409名に質問紙を配布し、分析に十分な300データを得ることを目ざした。その結果、追加データと合わせて、335名の自由回答式質問を得た。335名の記述は、555記録単位、335文脈単位に分類できた。このうち、看護学実習中に直面する問題を明確に表す350記録単位を分析し、看護学実習中の学生が直面する問題を表す37カテゴリを形成した。 2.カテゴリの信頼性確保:カテゴリの信頼性確保のために、看護学研究者2名にカテゴリへの分類を依頼し、その一致率をScott, W.A.の式に基づき算出した。カテゴリの分類の一致率は70%以上であり、カテゴリが信頼性を確保していることを示した。 3.看護学実習中の学生が直面している「問題」を自己評価するための尺度の開発に向けた理論的枠組みの構築:尺度開発のための理論的枠組みを構築するために、問題や困難を評価するための尺度や看護学実習中の学生に関する国内外の文献を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の予定は、看護学実習中の学生が直面する問題に関する質的帰納的研究を基盤に、実習中の「問題」自己診断尺度-看護学生用-を作成し、調査に着手することであった。しかし、看護学実習中の学生に関する既存の研究と本研究の相違点を明確化し論述することに予想以上の時間を要した。今後、質的帰納的研究を基盤に、実習中の「問題」自己診断尺度-看護学生用-を作成し、データ収集を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度前期、解明した看護学実習中の学生が直面する問題を基盤に、実習中の「問題」自己診断尺度-看護学生用-の質問項目の作成・尺度化・レイアウトを行い、尺度を作成する。また、平成27年度後期、作成した尺度を用いて全国調査を行う。また、平成28年度中に尺度の信頼性・妥当性を検証し、看護学実習における自律的学習推進システムの完成・普及を目ざす。
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Causes of Carryover |
平成26年度の予定は、看護学実習中の学生が直面する問題に関する質的帰納的研究を基盤に、実習中の「問題」自己診断尺度-看護学生用-を作成し、調査に着手することであった。しかし、看護学実習中の学生に関する既存の研究と本研究の相違点を明確化し論述することに予想以上の時間を要し、看護学実習中の学生が直面する問題の解明に留まり、尺度開発に進めなかった。そのため、全国調査に必要な質問紙・返信用封筒印刷費、返信用郵送費、開封・データ入力などに必要な人件費を使用できず、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度前期、解明した看護学実習中の学生が直面する問題を基盤に、実習中の「問題」自己診断尺度-看護学生用-の質問項目の作成・尺度化・レイアウトを行い、尺度を作成する。また、平成27年度後期、作成した尺度を用いて全国調査を行う。そのため、全国調査に必要な質問紙・返信用封筒印刷費、返信用郵送費、開封・データ入力、共同研究者との打ち合わせ会議のための旅費として研究費を使用する予定である。
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