2014 Fiscal Year Research-status Report
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25463324
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
有田 広美 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (30336599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 悦子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00107947)
小林 宏光 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20225535)
矢島 直樹 福井県立大学, 看護福祉学部, 助教 (40649208)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 睡眠障害 / 心臓手術 / アクチグラフ / 術後7日 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心臓手術を受けた患者の睡眠障害が回復していく過程とその要因を明らかにすることを目的とした。対象者は、冠動脈バイパス術、弁置換術などの手術を行った56~80歳(平均71.5±8.2歳)の患者で、男性6名女性2名の8名であった。調査内容は、アクチグラフを術前から術後8日までと術後4週間に装着した。睡眠の主観的評価としてピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)とOSA睡眠調査票MA版(OSA-MA)、Visual Analog Scale(VAS)を術前、術後3日、術後5日、術後8日、術後4週間、術後8週間の起床後に実施した。アクチグラフの分析は夜間を21~6時、日中を6時から21時に区分して解析した。結果、平均麻酔時間は408.8±71.05分、平均手術時間は331.3±73.5分、ICU入室の平均は3.0±0.8日であった。不眠のために眠剤を使用したのは5名。フェンタニールはほとんどが術後1病日で終了し、鎮痛剤を使用したのは3名であった。そのうちの2名の痛みは、創痛ではなく背部や肩の痛みであった。術後3~5日には全員歩行していた。af頻脈発作が2名に見られたが合併症を起こした者はいなかった。%sleep(術前が82.2±9.9%)は術後減少し、術後7日目(60.1±18.2%)には有意に低下した(p<0.05)。WASOは術後増加し、術後7日には有意に増加した(p<0.05)。最長睡眠時間は、術後に全員が術前の50%以下となっていたが有意な差は認められなかった。日中睡眠時間は術前後に差はなかった。VASは術後3日目の起床時が有意に低下し(p<0.05)、PSQIは術後8日に低下する傾向がみられた。OSA-MA得点は術後3日目に最も低下したが、術後4週間には術前の状態に回復していた。心臓手術を受けた患者の睡眠は術後7日を経過しても低下しており、術後4週ではほぼ回復していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査は術前術後併せて9日間、退院前と退院後1か月の時点で調査するという研究デザインであり、調査に参加する期間が長期にわたるために対象候補者に依頼したときに拒否されることが多かった。また、研究フィールドの手術予定が急に変更になりタイムリーな連絡が得られずに術前のデータ収集が間に合わないなどの状況もあった。これらのことから、対象者数は考えていたよりも少ない状況であるが、データとしては興味深い結果が得られたのでおおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、データを蓄積するために平成27年度もギリギリまでデータ収集する予定である。
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Causes of Carryover |
睡眠に関した研究を行っている国外の大学に研修に行く費用に充てるつもりであったがその受入れが困難となったため繰り越しとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
腕時計型睡眠計は精密機械であり、対象者が濡らしてしまったりして故障しても補充ができなかった。今年度は最終年度であり、できるだけデータをたくさん収集したいと考え、測定機器を追加購入する。また、成果を国外の学会で発表する予定でいる。
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