2013 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学生の学習バーンアウトを予防する自己調整学習支援システムの開発
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25463357
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
熊谷 たまき 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10195836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村中 陽子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30132195)
上野 恭子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50159349)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バーンアウト / 看護系大学生 / 自己調整学習 / 自己学習モニタリング |
Research Abstract |
本研究の目的は,看護系大学生の学習バーンアウトを予防するために,自己調整学習の自己モニタリング支援システムを開発することである.具体的な研究課題として,①看護系大学生の学習バーンアウト状態を把握すること,②自己調整学習方略,援助要請との関連から学習バーンアウトにある学生の行動特性を抽出すること,③学習バーンアウトを予防する自己調整学習支援システムを構築すること,を設定した. 今年度は研究課題の1つ目である看護系大学生の学習バーンアウトの実態を把握することに主眼を置き,次のように研究を進めた.はじめに看護系学生のバーンアウトに関する国内外における先行研究の系統的文献レビューを行い,バーンアウトの実態と関連要因に関する研究動向を把握した.文献検討によって得られた知見としては,看護大学生のバーンアウトの概念は明確に定義されておらず,看護師のバーンアウトの概念がそのまま看護学生のバーンアウトに適応されているという検討を要する課題が明らかになったことである. 次に,この課題に対し先行研究を資料に内容分析を行い,概念の定義づけを検討している.これと並行してバーンアウトの影響要因として活用する尺度を検討し,その1つとしてラーニング・セルフエフィカシー尺度19項目版を用いることとした.本尺度を調査で用いるために,先ず専門家による本尺度の翻訳・逆翻訳を行い,その後研究者間で妥当性の検証を重ね日本語訳を作成したという状況である. なお文献レビューは本年度の研究成果として,研究代表者と研究分担者の所属先である順天堂大学医療看護学部の紀要に報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は,初年度に看護系大学生のバーンアウトを把握するための予備調査を実施し,2年目に本調査を実施する計画であった.しかし調査項目の策定に予想以上に時間を要している.その理由として,看護系大学生のバーンアウトを捉えるための概念構築を先ず行わなければならないという検討課題が生じ,それを当初の計画に追加したためである. そのため達成度は「やや遅れている」と判断したが,計画に追加した課題の検討は,本研究を遂行するためには重要であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の研究計画に追加した看護系大学生のバーンアウトの概念構築の検討を進めることを最優先とし,次に看護系大学生のバーンアウト実態と関連要因を把握するための調査研究を実施する.看護系大学生のバーンアウトの概念構築の検討については,本年度取り組んでいる先行研究や論著を資料とした内容概念分析を進め,主概念の抽出し,その概念に基づき質問項目を作成する.またバーンアウトに関連する要因としては,すでにラーニング・セルフエフィカシーを選定し翻訳を作成しているが,その他の関連要因についても文献レビューの結果をもとに精選する. 調査は予備調査と本調査を実施する計画である.予備調査は①バーンアウト調査項目の信頼性と妥当性の検証,②ラーニング・セルフエフィカシー日本語版の信頼性と妥当性の検証を目的に実施する.そして予備調査の結果を踏まえ,本調査へと研究を進める計画である.また学生のバーンアウトにどのような教育的介入が行われているか,またその効果に関しても先行研究から明らかにする予定である.なお,予備調査は研究代表者が所属する研究等倫理審査委員会の承認を得る実施する計画である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は文献研究と尺度の日本語訳の作成を中心に研究を進めたため,当初の予定より支出が縮小した.次年度は,本年度に実施する計画であった予備調査を含めた調査を実施する.そのため調査に必要な経費を確保しなければならないことから使用額の変更となった. 調査研究にかかる調査票の印刷代,調査票の配票と回収のための通信運搬費,またデータ入力の委託費などに研究費をあてる計画である.
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Research Products
(2 results)