2014 Fiscal Year Research-status Report
遷延性意識障害患者における「好みの音刺激」に対する副交感神経活動への影響
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25463365
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐竹 澄子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40459243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 暢子 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (20327977)
羽入 千悦子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50317989)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護技術 / 副交感神経活動 / 遷延性意識障害 / 音刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1の副交感神経活動の文献検討の結果を日本看護技術学会第13回学術集会にて発表した。内容は、以下の通りである。 看護学および関連領域における心拍変動解析による副交感神経活動の活用の実態を明らかにすることを目的に文献検討を行った。データべースソフト医学中央雑誌Ver.5において、キーワードに「副交感神経活動」を入力し検索し、副交感神経活動を心拍変動解析から反映している文献152件を分析の対象とした。その結果、様々な研究分野(医学系の研究から工学系など)で使用されており、看護学系の研究は33%を占めていた。その中で、様々な看護介入、特に感覚刺激の評価に多く用いられ、一定の結果が得られていた。このことから、感覚刺激への介入の指標として有用であると考えられた。さらに、健常者を対象とした基礎研究も多く、症状や疾患を有した対象への応用も可能であると考えられ、今後も対象の反応を捉える指標として様々な分野での活用が可能と考えられた。しかし、今回の文献検討は、国内のみの文献であり、測定指標の選択として限界がある。今後、国外での看護系で使用されている副交感神経の指標を検討するために、国外の看護系論文の文献検討を行うことと、自律神経活動の専門家と協力して、適した指標の選択をしていく必要がある。 研究2の入院患者における音刺激の副交感神経活動への影響の検討について、研究計画書を作成中である。文献検討の結果から、自律神経活動を測定する機器や併用する測定指標の選択について検討中であること、入院患者の中でもベッド上安静を強いられている方を対象と考えているが、研究デザインの倫理的側面や介入内容について検討を重ねている。次年度早々に倫理委員会に計画書を提出し、実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該研究の進捗状況としては、平成26年3月には、研究2について実施している予定であったが、実施できていない状況である。 その理由として、研究2の研究計画書作成において、機器の選択、併用する指標、対象者の条件と介入条件についてのデザインに困難を要していることが挙げられる。研究代表者は次年度から、医学系研究科にて研究を進めていくこととなり、自律神経活動に精通した指導者のスーパーバイズを受けることができた。そこで、当該研究のベースとなった研究代表者の先行研究である「遷延性意識障害患者の自律神経活動」のデータと「健常者への音刺激」のデータを再分析することによって、新たな知見が得られる可能性が示唆された。このことから、その分析結果を基に、研究2の計画をたてていくことしたため、進度の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究2の入院患者への好みの音刺激に対する自律神経活動を測定し、好みの音刺激が患者にとって快をもたらす介入となるかを検討する 研究計画書の内容を文献検討と先行研究の再分析結果から検討し、申請を行っていく。また、データ収集に必要な自律神経測定機器、解析ソフトを検討し、必要時購入していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度計画していた研究2「入院患者における音刺激の自律神経活動への影響」の研究計画が進んでおらず、予定していた機器の購入を行わなかったことが挙げられる。 また、学会出張費として予定した旅費が研究代表者の所属機関の研究費から支出が可能となったため、機器測定費用に充てることを考え使用しなかったことも理由として挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究2の実施計画と共に、必要機器、備品の購入を予定している。また、学会出張費や研究2のデータ集計等に関わる人件費、謝金等も必要となることが想定されるため、その費用も考えている。
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