2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25463366
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
服部 真理子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (50336492)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 美雪 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40299847)
小谷野 康子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50307120)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 生活 / 在宅ケア / 看護職 |
Research Abstract |
介護保険等の充実により、病気や障害を持ちながらも在宅での療養生活が可能となった。在宅ケアに関わる看護師は、療養者と家族の生活を支える医療の専門家である。療養生活は「生活」と「医療」が時に対立、「医療」の視点がその人らしい生活を脅かし、ないがしろにすることは療養者の命を脅かす。看護職は、時に相反する視点を統合して援助の方向性を決定する。 本研究は、在宅ケアに関わる看護職が援助を行う際に「生活」と「医療」の視点をどのようにとらえ、その視点をどのように統合して援助の方向性を決定、療養者と家族を支援するかを、居宅サービスである訪問看護ステーションと高齢者デイサービスで勤務する看護師に面接調査を行うことで明らかにする。また、看護の比較として生活の視点で援助を行う他職種として高齢者デイサービスの生活相談員を対象とした「生活」の視点に関する面接調査を同時に行うことで看護の特徴をより明らかすることを目的とする。 平成25年度の計画は、在宅ケアにかかわる看護職が捉える「生活」と「医療」の視点、その視点の統合の構造を明らかにするために以下のことを実施予定であった。①関連領域の文献の再検索を行い最新の文献を含めて在宅ケアに関わる看護職の「生活」「医療」に含まれる概念を再検討、②文献から明らかになった「生活」「医療」の概念を参考に「生活」「医療」の視点とその統合を明らかにする半構成的質問紙を作成、③作成した質問紙を使用して予備調査を実施、予備調査結果を分析、④③調査結果の妥当性を高めるため調査対象者に質問紙調査を実施、⑤①~④の結果を踏まえ半構成的質問紙の修正である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の研究実施計画の具体的内容は、1)「生活」「医療」に関連する文献の検討。「生活」「医療」とそれに関連するキーワードによる関連領域(社会学・福祉学・教育学など)の論文を再検索、最新の既存文献を含めて「生活」「医療」の概念を明らかにする。2)1)より得られた「生活」「医療」の概念を元に、在宅ケアに関わる看護職(訪問看護ステーション勤務の看護師および高齢者デイサービスに関わる看護師と福祉職(高齢者デイサービスに関わる生活相談員)がケアを提供する際の「生活」「医療」の視点を明らかにする半構成的質問紙を作成。3)作成した半構成的質問紙により在宅ケアに関わる看護職(訪問看護ステーション勤務の看護師および高齢者デイサービスに関わる看護師)と福祉職(高齢者デイサービスに関わる生活相談員)の各1名に2)で作成した半構成的質問紙を使用した予備調査(調査方法や内容への意見を含む)を実施、予備調査結果から「生活」「医療」の内容抽出、その統合を含めて構造を記述。分析の際は研究分担者のスーパーバイズを受ける。4)3)の結果を記述、面接対象者に内容の妥当性について質問紙調査を行い、結果の妥当性・信頼性を高める。5)4)の結果と3)の予備調査への意見を踏まえて、調査方法や内容を修正し、本調査の半構成的質問紙の修正を計画していた。 実際には、研究実施計画の具体的内容1)2)について生活の既存の定義を含めた「生活」に関連する在宅看護を中心とした文献を再検討し、半構成的質問紙を作成した。3)4)5)を実施すべく、所属施設における研究倫理審査を受けて審査書類を修正、審査継続中である。倫理審査終了後3)、4)、5)を実施の予定であり、平成26年度の本調査の研究計画もともに進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画実施は、文献の再検討、半構成的質問紙の作成、予備調査のための倫理審査申請までにとどまった。次年度の研究実施については、前年度の実施の遅れを取り戻すべく、倫理審査終了後に予備調査を速やかに実施するとともに、本調査のための倫理審査の書類準備及び申請を速やかに行い、本調査を実施する。 本調査は、予備調査の結果を踏まえて、訪問看護ステーションの看護師、高齢者デイサービスに関わる看護師および生活相談員の各5名程度を対象に、利用者と家族のケアを行う上で、どのような視点や内容で「生活」と「医療」を捉え、どのようにその視点を統合しているのかを半構成的質問紙による面接調査で明らかにする。分析では、面接内容の逐語録を作成し、逐語録の内容から「生活」と「医療」の内容を抽出してカテゴリー化を行う。そのカテゴリー間の関係性を文脈等から検討し、カテゴリー同士のグループ化を行い、さらにカテゴリー間の関係性を検討して、生活と医療の視点の統合の構造化を図る。分析は分担研究者にスーパーバイズを受ける。また、予備調査、本調査の結果はまとまり次第順次に学会発表等を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度研究計画では、予備調査を実施しその面接調査内容のテープお越しやデータ整理のための費用を計上していたが、予備調査の実施が平成26年度に繰り越されたことによりその予算が繰り越されることとなった。平成26年度に予備調査を実施予定であり、平成25年度分のテープお越し及びデータ整理等の人件費予算はそのまま次年度へ繰り越して執行する予定である。 予備調査の面接調査テープお越し代およびデータ整理人件費として、平成26年度に人件費・謝金(内訳:テープお越し代 3万円×3名分=9万円、データ整理等人件費 59,975円)149,975円を使用予定。
|