2015 Fiscal Year Research-status Report
臨床判断を導く患者理解と看護師による患者像の口述に関する研究
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25463377
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
片山 由加里 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (10290222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (00259194)
園田 悦代 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (70259430)
深山 つかさ 京都橘大学, 看護学部, 助教 (70582865)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 臨床判断 / 意思決定 / 対象者理解 / 口述 / 看護過程 / 患者 / 感情労働 / 看護チーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、看護師の臨床判断に影響する重要な要因が看護師間の患者像の口述にあるという仮説を立て、それを検証することを目的としている。具体的には、個々の看護師が持っていたり看護チーム内の看護師間で様々な場を通して共有したりしている患者像が、看護師らの口述において、イメージや親近性、看護師間の感情状態に関する特徴を持つ実践知であるとして、その可視化を試みるものである。研究の成果として、看護師の臨床判断がひとりの患者により合ったものとなるように、臨床における情報共有のあり方やその評価方法について、新たな臨床判断の適用として提案する。 研究の初年度(平成25年度)は、文献検討、調査準備のための情報収集、所属機関の研究倫理委員会の承認を受けた。さらに、研究対象者である看護師1名にインタビュー調査を開始した。インタビューでは、実際の看護現場における状況や経験を聞き取った。研究2年目(平成26年度)は、インタビューの継続として、看護チーム内における中核的立場にある中堅・ベテランの看護師11名のインタビューを実施し、計12名のデータを得て、ベースとなるデータ収集を開始した。さらに、想定された複数の分析テーマから、看護師の臨床判断に影響する要因と考える1つのテーマを分析した。 今年度(平成27年度)は、昨年度の分析結果について学会で発表した。また、残りの要因をテーマとすた分析を行った。さらに、研究倫理委員会の承認を経て臨床現場でのフィールド調査を実施し、状況下における1組の看護師ペアの臨床判断に関わる会話データを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに得られたデータを分析し、国際学会にて発表し、そのデスカッションをもとに新たな分析を加えた。その結果、予定していた量的研究の準備を取りやめ、別の手法・角度としてフィールド調査を設定し、4名の新たな研究者の協力によって新たなデータを取得した。計画の修正変更とデータの追加により、看護師の臨床判断に関わる概念を精製していることにより、今年度の目標に到達している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、オレゴンヘルスサイエンス大学にて情報収集を行う。これを最終として、これまでに得られたデータの分析を終了し、実践の場における精度の高い量的研究に向けて、調査項目の選定とフィールドの準備を行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
当該年度開始の4月から所属の大学を移動し、新規開設の学部であったため、1年間の教育業務が学部の状況に応じて随時変更していくなど研究活動にあてる日程の見込みがつかない期間が続いた。研究計画を無理なく進めるために、予定していた量的調査における予備調査や調査票作成を中止し、新たな研究者らの協力を受けて、別のタイプのデータを収集しため、調査に伴う使用の変更が生じ、経費が余剰した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に繰り越した金額は、調査費用として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)