2015 Fiscal Year Research-status Report
終末期慢性呼吸器疾患患者への患者アウトカム評価を含む相互作用看護実践モデルの作成
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25463397
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 良幸 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (30400815)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性呼吸器疾患 / エンド・オブ・ライフケア / 終末期ケア / ターミナルケア / 看護モデル / 評価 / 対人援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,終末期慢性呼吸器疾患患者への患者アウトカム評価を含む相互作用看護実践モデルの作成としている.この目的を果たすために平成27年度までにモデルの一つの構成要素として6つの諸相からなる35の「対人援助方法」を明らかにした. 平成27年度では,「患者アウトカム評価」として「互いの了解」という鍵概念を据えて,看護師が自身の実践を患者・介護者に受け入れられているか評価する15の「互いの了解」の評価項目を作成した.「評価項目」には,〈通じ合い打ち解けたか〉や〈同意可能な妥協点をつくったか〉などを含んだ.モデルの作成に向けて,これらの6つの諸相からなる「対人援助方法」および「互いの了解」の評価項目を構成要素とした.「対人援助方法」は,その内容から,終末期にある慢性呼吸器疾患患者への身体的・心理的・社会的な側面に対する対人援助の実践的アプローチを示しているものと考えられた.「互いの了解」の評価項目は,身体的悪化が連続的に起こり,看護師からのケアや今後の方向性に対して患者・介護者が了解しにくい状況があるという終末期ケアの特性の中で,看護師が了解が得られていないことを知覚し,患者・介護者の了解が得られるように対人援助を改善させる効果があると考えられた. さらに平成27年度では,これらを関東圏3施設の看護師合計5名に,終末期にあると考えられる患者に対し「対人援助方法」および「互いの了解」の評価項目を使用してもらい,使用のしやすさや,使用しての効果についてデータ収集を行った.終末期の患者を実際にケアしている看護師を研究対象者としているため協力者の確保に時間を要し,平成27年度はデータ収集を終えたところである.1年間の研究課題の期間延長を行い,平成28年度ではモデルの精錬・完成を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データ収集において研究対象者の確保に時間を要した.これは研究対象者を3年以上の臨床経験を有する看護師でかつ現在終末期にあると考えられる慢性呼吸器疾患患者をケアしている者としたためである.平成27年度は研究協力施設数を増やし必要な研究対象者数の確保に務めたが,確保に時間を要し,結果全体のスケジュールが遅延した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の1年間の延長を申請し,受理された. 今後は,目的にそってデータを分析し,患者アウトカム評価を含む相互作用看護実践モデルを精錬させる予定である.成果の発表も行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
平成27年度では研究対象者の確保に時間を要した.そのため研究課題の進行が遅れた.データ分析および研究成果の発表にかかる費用として,旅費,印刷代,消耗品代などが残額として生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度では,データ分析および,研究成果の公表(学会発表,論文投稿)を行い,計画的に使用していく予定である.
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