2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of end-of-life care nursing model, including evaluation of patient's outcome, and interaction between nurse and patient with chronic respiratory disease
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25463397
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 良幸 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30400815)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性呼吸器疾患 / 終末期 / 互いの了解 / 対人援助 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、終末期慢性呼吸器疾患患者への患者アウトカム評価を含む相互作用看護実践モデルを作成することである。平成27年度までに、モデルの構成要素となる「対人援助方法」「患者アウトカム評価」、相互作用の「6つの諸相」を明らかにした。 平成28年度はモデルの作成を行った。患者アウトカム評価は、患者のニーズが定まりにくい終末期の環境では指標を用いた絶対的評価が困難であるという立場から、その都度患者の反応から評価する仕組みとして、看護師が行う患者-看護師間の「互いの了解」の評価項目を用いることにした。5名の臨床看護師に「対人援助方法」、「『互いの了解』の評価項目」をケアの場で使用してもらった。看護師の実践内容のインタビューからモデルの要素、関係、アウトカムを導き出し、モデル化した。 結果、モデルは、看護師の【援助】が起点となり、患者の【反応】が起こり、その反応への違和感・不協和・不理解などの看護師の【知覚】が頼りとなり、かつ【「互いの了解」の評価】によって看護師に【気づき】が促され、【対人援助方法の参考例】に触発され、看護師に【援助の変化】が起こり、そして実際の援助によって患者の【反応】が引き起こされ、再び循環する円環を有する。アウトカムとして、患者側には、ニーズとケアの一致・ケア満足度の増加・孤立の防止・重要他者との関係の最適化・医療者との信頼の増加などがもたらされる。good deathの観点からもアウトカムが導かれることを一部確認した。看護師側には、看護目標の達成・問題の解決・膠着した援助関係の打開、援助の拡張などが得られ、実践知の獲得に貢献しうると考えられた。患者アウトカム評価として「互いの了解」という視点で相互作用を継続評価することは、患者視点のアウトカムに近づくことが事例研究にて確認した。
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