2014 Fiscal Year Research-status Report
アロマセラピーとエクササイズを用いた乳がん関連リンパ浮腫自己管理プログラムの効果
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25463419
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有永 洋子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90620667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 冨美子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40297388)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳がん / リンパ浮腫 / セルフケア / 皮膚保湿 / 無作為化比較試験 / エクササイズ / ラジオ体操 / バイオインピーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年4月現大学に移り、実施中の前後比較試験について倫理申請を行ったところ、パイロット無作為化比較試験(RCT)に変更するよう指示を受けたため26年度8月より研究方法を変更、実施している。標本数40名(介入群20名対照群20名)のリクルートが終了し、今年9月には全データ収集が終了予定である。 当該年度は実施した前後研究から国内外の学会発表を2件、論文投稿を2件行った。 また現在実施中のパイロットRCTのベースラインデータで興味深い傾向を発見した。本研究で効果を検証する乳がん治療関連リンパ浮腫(BCRL)セルフケアプログラムの構成要素であるエクササイズ、セルフリンパドレナージ(SLD)、皮膚保湿ケアのベースライン実施頻度とリンパ浮腫状況との関連分析の結果、エクササイズ実施頻度が高い患者は健側前腕の皮膚状態、患者の主観的な患側上肢の状態、皮膚乾燥感、つっぱり感、疲労感が良好でBCRLにかける時間も長いことが示唆された。SLD実施頻度が高い患者は健側上腕の皮膚状態が良好だが、上肢間の細胞外液量が多い、手の浮腫体積が大きい、腫脹感、皮膚保湿ケア頻度、セルフケア状況が高くセルフケア負担感も高いことが示唆された。皮膚保湿ケア頻度が高い患者は腫脹感が高くセルフケア状況も良好だが負担感も大きいことが示唆された。これらの結果は本パイロット研究の解釈に寄与するため、平成27年国際リンパ学会(サンフランシスコ)で発表し論文化する予定である。 中間解析の結果、患側体積減少や症状の緩和の傾向は介入群でより多く見られ、1か月後の主観的患側上肢状況は介入群でのみ有意に改善している(P=.003)。前回の前後研究では患者の主観的指標が客観的指標に先行して改善しており、ローコストで労力が少ない本セルフケアプログラムの対リンパ浮腫効果が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年4月現大学に移り前大学より実施中であった前後比較試験について倫理申請を行ったところ、パイロット無作為化比較試験(RCT)に変更するよう指示を受け研究方法を変更した。前後比較試験よりもより信頼性のある研究方法に洗練したため、この変更は妥当なものと考える。 26年度8月よりパイロットRCTを開始したためやや遅れが生じているが、標本予定人数の募集は終了しており、予定通り平成27年度中に研究完遂する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は科研費交付最終年度であり、9月に全データ収集終了後、解析結果をもとに公表(学会、論文化)を行う。また、この結果をもとに必要標本数を設定し、第三相無作為化比較試験の計画を始める。 また、本研究で効果を検証する乳がん治療関連リンパ浮腫(BCRL)セルフケアプログラムの構成要素であるエクササイズ、セルフリンパドレナージ(SLD)、皮膚保湿ケアのベースライン実施頻度とリンパ浮腫状況との関連分析の結果、エクササイズ実施頻度が高い患者は健側前腕の皮膚状態、患者の主観的な患側上肢の状態、皮膚乾燥感、つっぱり感、疲労感が良好でBCRLにかける時間も長いことが示唆された。SLD実施頻度が高い患者は健側上腕の皮膚状態が良好だが、上肢間の細胞外液量が多い、手の浮腫体積が大きい、腫脹感、皮膚保湿ケア頻度、セルフケア状況が高くセルフケア負担感も高いことが示唆された。皮膚保湿ケア頻度が高い患者は腫脹感が高くセルフケア状況も良好だが負担感も大きいことが示唆された。これらの結果は本パイロット研究の解釈に寄与するため、平成27年国際リンパ学会(サンフランシスコ)で発表し論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
調査会場費として支出を予定していたが予定会場が工事のため使用不能となり、会場変更したところ会場費が変更となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
セルフケアプログラムによる乳がん治療関連リンパ浮腫管理効果(パイロット無作為化試験)に関する調査のため、27年度会場費の一部として使用する。
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Research Products
(5 results)