2015 Fiscal Year Research-status Report
仕事をもつ2型糖尿病患者および境界型におけるセルフモニタリングの有効性
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25463421
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
白水 真理子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (60228939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥井 良子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (10554941)
間瀬 由記 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (60256451)
中原 慎二 帝京大学, 医学部, 准教授 (40265658)
佐野 喜子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20399603) [Withdrawn]
杉本 知子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00314922)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 看護学 / 血糖自己測定(SMBG) / セルフモニタリング / 患者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、外来通院中の非インスリン使用の2型糖尿病患者を対象に、体系的な血糖自己測定(以下SMBG)と記録を中心とするセルフモニタリング教育を実施し、有用性を評価する介入研究を実施した。主要評価指標はHbA1cであり、他に生活習慣、自己効力感、ヘルスリテラシーの質問紙を用いた。体系的SMBG群は、2か月に1回、連続して3日間、1日7回の血糖自己測定を行った。糖尿病の専門資格を有する看護師が体系的なSMBG、血糖値の転記とグラフ化、食事量・運動実施の有無・元気度の記録についてのセルフモニタリング教育を行った。体系的SMBG群は、練習期間を経て6か月間に3回の体系的SMBGと記録を行い、受診時に血糖測定器と記録を持参し、医療者よりコメントを受けた。一方、対照群は6か月後に血糖測定を開始することとし、従来の治療を継続した。 66名の患者が参加し、うち10名が途中で辞退した。また、選定基準からの逸脱、受診病院の変更、病状悪化による入院等の理由により6名が中止となり、現在は50名の参加者で研究が進行している。 体系的SMBG群28名の研究開始時のHbA1cの中央値は7.5%、6か月後は7.2%であり、有意に低下していた。一方、対照群22名は研究開始時7.5%で、6か月後は7.6%であり、有意な低下は認められなかった。同様に、体系的SMBG群の自己効力感や生活習慣の運動、食事の得点が6か月後に有意に上昇し、血糖測定と記録によるセルフモニタリングセルフが、血糖コントロールや生活習慣、健康行動の自己効力感に好ましい影響を与えていた。 また、パイロットスタディの1年後の追跡調査において、HbA1cの中央値が職域で7.05%、臨床で6.9%であり、いずれもベースラインと比較し有意に低下している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、4つの医療機関の協力を得て、臨床の場で体系的SMBG群の有用性を検討するランダム化比較試験に取り組んだ。職域においては、個人情報保護や健康管理・医療体制の観点から体系的SMBGを指導し、研究を進行管理できる人材やフィールドが確保できず、本調査を断念した。しかし、パイロットスタディ参加者を対象に体系的SMBGの経験を聞き取る面接調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
外来通院中の非インスリン使用の2型糖尿病患者を対象とした、体系的SMBGの有用性を評価するランダム化比較試験の1年後までの追跡調査の分析、ならびに副次的評価指標の分析を行う。また、職域において体系的SMBGを経験した人を対象に実施した面接調査の質的データを分析し、研究全体を総括する。
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Causes of Carryover |
職域における本調査のフィールド確保が難しかったため、計画していた物品費特に血糖測定キット一式、謝金、郵送費等の費目が残った。また研究代表者が学内業務多忙となったため、臨床介入試験の進行管理は行ったものの、フィールド拡大や、分析作業の推進が難しく、研究成果の公表が進まなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度となるため、職域における面接調査の分析やパイロットスタディ・臨床における本調査のさらなる分析を進め、国際学会や英文誌での公表を視野に入れ、研究資金を有効活用する。
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Research Products
(2 results)