2014 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全患者のセルフモニタリング能力開発のための教育支援プログラムの開発
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25463434
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
宮武 陽子 高知県立大学, その他部局等, 名誉教授 (90157660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 福子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (60453221) [Withdrawn]
下元 理恵 高知県立大学, 看護学部, 助教 (60553500) [Withdrawn]
大西 ゆかり 高知県立大学, 看護学部, 助教 (60633609)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | セルフマネジメント / セルフモニタリング / セルフコントロール / 慢性心不全 / 能力 / 自己覚知 / 身体 / 心理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、急性増悪を繰り返し、心疾患の末期像に至る慢性心不全患者のセルフマネジメントを構成する能力の一つであるセルフモニタリング能力を明らかにし、セルフマネジメントにおけるセルフモニタリング能力を開発する看護支援プログラムを開発することである。平成26年度は、メタアナリシスを用いてセルフモニタリングの構成要素と構造を明らかにする予定であったが、メタアナリシスに対応可能な適切な文献数が少なく、やむなく、セルフモニタリングに関連する概念や類似概念を用いた質的帰納的研究を分析対象とすることに変更し、セルフモニタリングの構成要素と構造を抽出した。 慢性心不全患者のセルフモニタリングの構成要素は、病いにより変化した日常生活の経験(身体と心理)及び慢性心不全の症状・徴候を捉え意味づけるための知識と技術、自分なりの目標と生活上の心がけの指針、多様な自分の感覚(直感、五感)の活用と変化を継続的に観察・測定・記録等を行うスキル・技法であることが明らかになった。さらに、セルフモニタリング能力には、自分の健康や生活に関する自己覚知、関連する知識や技術への関心と注目、知覚と観察・測定・記録する機能とその活用、実践への活用の評価とフィードバックする力が抽出された。 以上から、慢性心不全患者のセルフモニタリングは、異なる状況・段階におけるQOLを目的とした意図的な認知と行為のプロセスであり、フィードバック機能をもつセルフコントロールの一つのスキル・技法として捉える事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
慢性心不全患者のセルフモニタリングに関する適切な文献が少なく、新たに慢性心不全患者のセルフモニタリングの内容を包含している慢性心不全患者の療養への取り組みに関する質的研究を文献検討の対象とした。また、研究の遅れを取り戻すために、平成26年度に計画していた慢性心不全患者に対する質的研究によるセルフモニタリングの検証のプロセスを省くことにした。その代替法として、慢性心不全患者のセルフマネジメントに有用とされている看護介入から、セルフモニタリング能力の開発、促進、継続に関連する看護行為、方略を抽出・分類し、構造化する方針に変更した。その結果、文献収集と分析に時間を要する結果となった。平成27年度は、これらの結果に基づいてセルフモニタリング能力開発支援プログラムの試案を作成し、専門家会議、デルファイ法を用いて、より実践的な慢性心不全患者のセルフモニタリング能力開発支援プログラム試案を作成する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の後半期から研究分担者2名が変更し、研究組織としての協力体制・連携に困難さが増しているが、平成27年度は新たに研究協力者を増員し、慢性心不全患者の看護に精通した看護研究者を加え、強化していく予定である。平成27年度前半期は、主担当研究者が学会開催に時間を充てる必要があるため、後半期からセルフモニタリング能力開発支援プログラム試案の作成に取り組み、専門家会議、デルファイ法を用いて洗練化させる予定である。当初の計画であった平成27年度のセルフモニタリング力開発支援プログラムの実践への適用は、平成28年度に行い、一定の試行期間を経て、評価し、より実践的なプログラムの開発を目指す計画に変更する。
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Causes of Carryover |
全体として研究の進捗が遅れており、平成27年度は、セルフモニタリング能力開発とその教育支援プログラムの試案を作成するための専門家会議、デルファイ法による試案の洗練化を図る。さらに、研究プロセスと成果を関連主要学会において発表することを念頭に置いて、研究を進めていく。以上のことから、当初に計画していた平成26年度予算を後ろ倒して使用するため、平成27年度計画していた経費が必要である。また、本研究の完成年度は平成28年度に延期する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度執行計画ー①研究助言・指導;謝金50,000円,②専門家会議;旅費(大阪・高知・徳島にて開催)400,000円、謝金 90,000円、人件費(会議録作成など)45,000円、③文献・図書;60,000円、④教育支援プログラム作成;150,000円、⑤学会報告;300,000円 平成28年度執行計画ー①教育支援プログラム研修会開催;100,000円、②学会報告;250,000円、総計1,445,000円
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