2013 Fiscal Year Research-status Report
意識障害・廃用患者の生活行動再獲得のケア技術教育の評価に関する研究
Project/Area Number |
25463437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
福良 薫 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (30299713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 紀久江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00361353)
林 裕子 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (40336409)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 意識障害 / 廃用症候群 / 生活行動回復 / 生理的変化 / 研修効果 |
Research Abstract |
平成25年度は、OFF-JT型の看護研修「意識障害・寝たきり(廃用症候群)患者の生活行動回復技術(Nursing to Independence for the Consciousness disorder and the Disuse syndrome Patient ,以下NICDと称す)」を開催した。受講者は6名であり、多くの意識障害患者をケアする施設に勤務する者以外に高齢者施設や精神疾患領域の施設に勤務する者もいた。特に今回同一施設から過去に受講していない受講者とその受け持ち患者および所属施設のスタッフを対象として研修の効果の測定を試みた。 受講者のレポートの変化からは、NICDケアがもたらす効果とそのための取り組みかたや自己の課題が明確になっていく様子が捉えられた。また、受講者の「患者アセスメント力」、「生活行動獲得に向けた技術力」、「計画・調整能力」、「看護実践の評価力」、「事例の報告力」の評価に当たってこれらの概念分析を実施しているところである。受講者の受け持ち患者の変化に関しては①脳波(脳の活性化の指標)、②関節可動域(身体の可動性の指標)、および広南スケールにて意識状態の変化を観察した。患者の変化は著名で、身体的変化に加えて意識状態が改善し、家族との会話が成立したが、途中での退院や病状の悪化により6ヶ月のデータ収集の継続が困難であった。 そのため、受講者の病院スタッフにも研修前後でのケアの波及効果として、技術面、知識面、意識面に関してアンケート調査を実施した。その結果、直接一緒に受け持ち患者をケアする者はどの側面も理解が深まっていたが、他の病棟やチームメンバーである他職種には通常ケアのとの違いを理解するにいたっていなかった。 なお、共同研究者とともに、今回と過去の受講者の継続評価を実施した。その結果患者の変化を整理して成果を学会発表で予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は受講生が少なく、3~5名程度の追跡調査を予定していたが、1組の受講生と患者しか研究対象者として得ることが出来なかった。また、患者の状態変化も在院期間の問題から継続して測定することが出来なかったのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は受講生が少なかったことに加え、患者の状態変化も在院期間の問題から継続して測定することが出来なかった。そのため、平成26年度は受講生の確保のために年度末より研修の周知を促す活動を実施したため、すでに10名を越す受講者が研修を希望している。また、過去に受講していない施設からの希望もあり、研修効果を検討するための対象者の確保は出来ている。 本研究では研修終了時のみの受講者による研修効果の評価ではなく、研修がどのように所属施設に効果をもたらすのかを評価するツールの作成を目的としている。そのため、対象者および所属施設の変化を捉えるツールとして前年度スタッフ向けに実施したアンケート調査の結果をふまえ、本年度は研修前・後に改良したアンケートを実施してスタッフの変化の評価を測定する項目を追加した。 また、昨年度の受講生の「患者アセスメント力」、「生活行動獲得に向けた技術力」、「計画・調整能力」、「看護実践の評価力」、「事例の報告力」の概念分析により、下位概念を項目化・点数化し評価ツールを作成している。本年度の研修開始である7月より作成した評価ツールを用いて横断的に本年度の受講生を対象として実施する予定である。これ以外は当初の計画に基づいて研修者およびその受け持ち患者を一組とし、研修効果の評価を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)