2015 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患患者における気道感染予防のためのセルフプログラム開発に関する研究
Project/Area Number |
25463455
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
大城 知子 福岡大学, 医学部, 講師 (50461538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 昌樹 福岡大学, 医学部, 准教授 (50325461)
田中 景子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40341432) [Withdrawn]
緒方 久美子 福岡大学, 医学部, 准教授 (00309981)
石橋 曜子 福岡大学, 医学部, 助教 (70469386)
CLINGWALL DION 広島大学, その他の研究科, その他 (80737669)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | COPD / 気道感染 / セルフケア / 自己管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
COPD患者にとって、息切れの増加、喀痰の増加、胸部不快感・違和感の出現あるいは増加などの急性増悪は、呼吸不全を引き起こし死亡に至ることもある。急性増悪の40~50%は気道細菌感染が関与するといわれている。このため、外来通院中のCOPD患者82名を対象にQOL、重症度、気道感染予防の認識と行動について調査を行った。 その結果、QOLは「身体機能」は病期、重症度が増すほどに低下し、国民標準値より低くなっていた。しかし、「体の痛み」「心の健康」は病期、重症度による影響を受けていないことがわかった。呼吸機能の悪化に伴い、おもに室内での生活になるが、動かなければ息苦しさは増強しないことから、各自が自分の状況に合わせた活動の制限を行っていることがわかった【学会発表済み】 また、気道感染予防の認識や行動の調査では、過去1年間に気道感染を起こした人は対象者の61.0%で、そのうち約半数は肺炎を併発し、予防接種は受けない(32.9%)、気道感染を起こしても病院には行かない(32.0%)、現在も喫煙を続けている(26.8%)という結果が得られた【学会発表済み】。COPD患者は、ある程度自己管理の知識があると予測を考えていたが、予測に反して対象者の殆どは、気道感染などの急性増悪が予後に及ぼす影響を知らなかった。さらに、COPD患者の呼吸改善に有効であるといわれている呼吸リハビリテーションも、病期の進行した人にさえほとんど認知されていないことがわかった。 現在、多方面から解析を行い、セルフケアへの認識の低の原因を調査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3施設の研究協力・分担者の医師に患者を選出してもらい、調査を実施した。施設によっては、患者数に違いがあり選出に時間を要したところもあった。また、患者がCOPD以外の呼吸器疾患を持っていた場合は除外する予定だったが、気管支喘息ももっている患者が多くいることがわかった。このため、当初の選定基準に従い調査を実施していた時点では、対象者が増えず研究の進行が遅れた。そこで、医師が現在の呼吸器の症状はCOPDによるものだと判断した場合、対象に入れることに変更した。 また、口腔内の細菌の調査については予備実験を行い、歯科医や口腔細菌学の研究者に意見を聴き、調査方法を変更し実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在調査が終了した、QOL調査、重症度調査、気道感染予防行動についての認識・行動について、さらに学会発表を行い論文を作成する。 また、COPD患者の肺炎の起炎菌の調査を行い、口腔内の状態と細菌との関連があるかを調査予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進行がやや遅れているために、口腔内の細菌についての調査が残っている。このため、この調査にかかる費用が現在残っている状況である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
COPD患者の肺炎の起炎菌の調査、口腔内細菌調査のための培地、試薬等に使用予定である。
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Research Products
(2 results)