2014 Fiscal Year Research-status Report
病児保育への障害児のレスパイトケア併合による小児の利益及び就労と育児の調和推進
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25463472
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
祖父江 育子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (80171396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枝川 千鶴子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (00363200)
舟越 和代 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (40321252)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小児看護 / 病児保育 / ひとり親 / 健康格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児の健康回復と発達保障、家族形態による小児の健康格差の解消を目的に、平成26年、所得による病児保育利用料減免制度を実施している広島市の11病児保育施設利用者に、「利用者特性と支援制度による病児保育のニーズの相違」調査を実施した。有効回答者156名のうち、ひとり親世帯の半数が月収20万円未満であり減免補助世帯が高率で、病児保育はひとり親世帯の保護者の「雇用に対する不安」と「育児に対する不安」に対応していた。また、ひとり親世帯は定員のために利用できなかった回数が多く、利用できなった場合、病児だけで家にいる対応の世帯が高率であった。今回の調査結果は、利用料の減免による支援の効果と課題を明らかにした。 家族形態や補助制度による小児の健康格差、病児保育への障害児の日中一時支援や児童ディケア等の併合可能性について明らかにするため、平成26年香川県の6病児保育施設の保育士6名と看護師6名に面接調査を行った。3人目以上3歳児未満への病児保育費無料の補助制度について、減免対象児の健康回復に有益との評価の一方で、ひとり親への利用費減免を優先すべきとの意見、世帯収入や利用頻度等に対応した補助制度が必要との意見、費用負担のために本当に必要な世帯が利用できていないことへの懸念を認めた。また、親の離婚や異性との交際などの社会的状況に起因した心身の不調のために、病児保育を利用している幼児や学童が相当数おり、病児保育が社会のセーフティネットとして機能していることが明らかとなった。すでに発達障害児や慢性疾患児の受け入れを経験している病児保育施設があり、障害児の利用に肯定的な意見を認めた。今後、病児保育への障害児の日中一時支援や児童ディケアの利用に向け、必要となる整備の調査が必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
広島市での病児保育利用者調査を平成26年11月に実施し、各病児施設への報告を平成27年3月に行った。調査結果を踏まえての調査が効果的と判断したので、広島市の病児保育施設に勤務している保育士・看護師への「利用者特性と支援制度による病児保育のニーズの相違」調査が平成27年5月に遅延している。また、広島市はすでに病児保育利用費減免制度を導入しているので、利用費減免効果や他の支援制度の効果を明らかにするため、広島県全体への調査に変更した。そのため調査が平成27年5月へと遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
家族形態や補助制度による病児保育利用における小児の健康格差、病児保育への障害児の日中一時支援や児童ディケア等の併合可能性を明らかにするため、平成27年5月に、「広島市における病児保育利用者の特性と支援制度」に関する面接調査を、広島市の11病児保育施設の保育士、看護師に実施する。また、利用費減免効果や他の支援制度の効果を明らかにするため、広島市を除いた広島県の病児保育利用者に、「利用者特性と支援制度による病児保育のニーズの相違」調査を平成27年5月に実施する。すべての調査を踏まえ、病児・病後児保育への障害児の日中一時支援、児童ディケア、障害児学童保育の併合に関するニーズと課題を抽出するため、「病児・病後児保育への障害児のレスパイトケア併合に関する調査(質的調査)」を、病児・病後児保育施設経営者、障害児団体代表者、行政の担当者に実施する。
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Causes of Carryover |
広島市はすでに病児保育利用費減免制度を導入していたため、「利用者特性と支援制度による病児保育のニーズの相違」調査を、広島市を除く広島県全体への調査に変更したためである。また、調査効果を考慮し、広島市の病児保育施設に勤務している保育士・看護師への「利用者特性と支援制度による病児保育のニーズの相違」調査を、平成27年5月に変更したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに、広島市での「利用者特性と支援制度による病児保育のニーズの相違」調査のテープおこしに9万円を使用した。「利用者特性と支援制度による病児保育のニーズの相違」調査は、調査依頼等の連絡調整・交通費20万円、印刷費20万円、返送費(料金後納)20万円、データ入力費30万円、調査準備・整理費17万円、論文作成費20万円、成果発表費30万円、計166万円を予定している。「利用者特性と支援制度による病児保育のニーズの相違」調査に、面接者22名への謝礼11万円、テープおこし費33万円、計44万円を予定している。なお「病児・病後児保育への障害児のレスパイトケア併合に関する調査(質的調査)」は平成27年度予算で実施する。
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Research Products
(2 results)