2015 Fiscal Year Research-status Report
PDPI-R日本語版の開発と妊娠初期からのメンタルヘルスの縦断的研究
Project/Area Number |
25463480
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
若松 美貴代 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50433074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肝付 洋 鹿児島大学, 医歯学域 医学系, 助教 (30383631)
堂地 勉 鹿児島大学, 医歯学域 医学系, 教授 (60150413) [Withdrawn]
中村 雅之 鹿児島大学, 医歯学域 医学系, 准教授 (90332832)
春日井 基文 鹿児島大学, 医歯学域 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90549916)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PDPI-R / EPDS / 産後うつ病 / カットオフ値 / 感度 / 特異度 / Sence of Coherence |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は妊娠期から産後うつ病のリスク因子が予測可能なPostpartum Predictors Inventory-Revised (PDPI-R)を日本語に翻訳後、日本語版PDPI-Rを開発し、信頼性、妥当性を検討することである。また、うつ病への影響を把握するために基本性格テスト、健康に関する認識やストレス対処能力を把握するためにSence of Coherence(SOC)を実施し、得点の高い対象者に精神科構造面接を行い、産後うつ病の妊娠初期からの早期介入を必要とするリスク因子を同定することを目的として調査した。
H27年度はPDPI-Rの信頼性、妥当性、カットオフ値の検討を行った。この研究に参加した192名のうち、妊娠10-23週にPDPI-R、産後1か月にPDPI-Rとエジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)を実施しすべての項目について回答のあった120名を対象に分析した。産後うつ病の判断はEPDSで行った。
その結果、産後うつ病リスク疑いのあったもの(EPDSで9点以上)は12名であった。妊娠中のPDPI-Rカットオフ値は7.0の場合産後うつ病の予測の感度は50%、特異度87.0%であり、カットオフ値の6.0、8.0のそれらに比較して優れていた。陽性的中率、陰性的中率も7.0が優れていた。産褥期のPDPI-Rのカットオフ値は8.0の場合、感度が66.7%、特異度88.0%であり、カットオフ値7.0、9.0のそれらに比較して優れていた。陽性, 陰性的中率も8.0が優れていた。 PDPI-R日本語版は産褥期だけでなく妊娠中から産後うつ病を予測できる有用な方法であり、 PDPI-Rのcut-off値は妊娠中で7.0、産褥1ヶ月で8.0が妥当であると結論された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EPDS高得点者には精神科構造面接を行う予定であったが、12名の全対象者が精神科医との面接について同意しなかったため診断までには至ることはできず、産後うつ病のハイリスク群ということでの結果となった。
また、 対象者に1人あたりにかかる調査期間が約8か月でドロップアウト者が予想よりあること、個人情報に配慮するため研究の同意を研究代表者がすべて1人で行っているため、エントリ-数が当初目標に届かず遅れている。 分析中で調査に出向けなかったことも遅れの一因になった。
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Strategy for Future Research Activity |
EPDSの高得点者には精神科構造面接の同意が得られるように医療機関を絞り、同日に面接を行うなどの対策を考えて対象数の追加行う。
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Causes of Carryover |
初年度にパソコンを購入予定であったが、市場で出回っているものが不安定な状態であったため購入を控えていたことと、分析、発表に時間を取られ調査にかけられなかった分、入力作業がさほどなく、人件費の支出が予定より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は中間報告に向けて投稿準備中である。またSOCとの関連についても現在分析中でその成果の発表や投稿も予定している。追加の調査に伴いデータ入力が生じるため人件費としても支出される予定である。
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Research Products
(2 results)