2015 Fiscal Year Research-status Report
OSCEを導入したシミュレーション教育を用いた新人助産師研修プログラムの開発
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25463497
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
二村 良子 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30249354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永見 桂子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (10218026)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シミュレーション / OSCE / 新人助産師 / 実践能力 / 助産師研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 新人助産師研修に参加している新人助産師を対象に、新人助産師の実践能力向上をめざすために、シミュレーション教育の一連の過程を取り入れ、さらに、OSCEを用いた新人助産師の臨床能力把握も含めた研修プログラムの開発を目的とする。 【研究実施計画】 平成27年度までに、さまざまな臨床経験の助産師を対象に、妊娠、分娩、産褥期の場面課題についてOSCEを実施し、その結果より各臨床経験の違いによる実践能力に関する違いが明確になった。特に、新人助産師は、「妊産褥婦へのねぎらいの声かけの実施」や「実施内容についての説明」、「今後の予測に対する説明」は行えていたが、「対象者に伝わりにくい実施の意図」があった。また、助産師に対するインタビュー結果より、「自身の判断に対する低い信頼性」、「判断の曖昧さの露呈」が特徴であった。それに対して、熟達助産師は「意識的に伝えるアセスメント過程および今後の予測」があり、「五感に基づいた瞬時の判断」を行うなどの特徴がみられた。これらの結果より、新人助産師、熟達助産師の臨床経験の違いによる特徴・課題が実践能力評価法の指標となることから、助産師の実践能力の課題評価法の作成を行った。新人助産師の実践における課題を明らかにし、それらの課題解決プログラムを作成する。実際の場面に即した教材、環境設定、ブリーフィング方法等具体的な方法の検討が必要であり、昨年度から引き続き実施している。これらについては、より実践に即した内容とするため、熟達助産師からの意見を集約する。その後、シミュレーション実施に向けたシナリオ作成、実施を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、助産師の課題場面実施のVTR分析による課題抽出に時間を要した。そのため課題抽出結果に基づき作成する評価法の評価視点項目決定や課題解決のためのプログラム作成に向け、熟達助産師等からの意見の集約を行うこと、さらに明確となった課題に対する課題解決プログラム作成が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度において実施予定であった新人助産師のシミュレーション教育実施に向けて、遅れている熟達助産師への聞き取りや評価指標とシナリオとの整合性を含めて検討を実施し、助産師に対してシミュレーション教育の一連の過程を取り入れた教育プログラムの試行を行い、プログラム修正を行う。それらを経て、今年度中に、新人助産師に実施するシミュレーション教育におけるシナリオ作成、評価法を含めたプログラムを完成し、実施、評価を行い、本研究の目的である新人助産師の臨床能力把握を含めたOSCEをを導入した実践能力向上への課題解決プログラム開発をめざす。
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Causes of Carryover |
実施計画がやや遅れていることから、今年度中に新人助産師研修プログラムを作成し、シミュレーション実施にいたらなかった。そのため、それらに係る謝礼等に関する費用およびシミュレーション実施に向けた環境整備や消耗品等の購入による費用支出が少なかった。また、実施した研究成果に基づき、研究成果報告としての学会発表等の旅費が当初予定していた分の支出がなかったことにより次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新人助産師研修プログラムを作成するにあたって内容検討に際し、熟達助産師に対して意見を伺うので、出張に係る旅費および謝礼を予定している。また、新人助産師研修プログラムの実施・評価については、新人助産師、SP等の協力者に対する依頼・謝礼や研修実施後の録音データ等の分析に際して、録音データの逐語録作成やデータ処理を外注するにあたり係る費用として使用する予定である。他に、OSCE実施の際のステーション設定やシミュレーション実施にあたり必要な備品等の購入および研究成果を学術集会等での発表を行うにあたっての旅費等の支出や論文発表、報告書作成等の経費に計上している。 以上の通り、これらの費用について、平成28年度の研究計画に沿って、計画的かつ適切に執行する予定である。
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