2013 Fiscal Year Research-status Report
はじめて親となる夫婦のメンタルヘルス予防に向けたペアレンティングプログラムの効果
Project/Area Number |
25463518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
佐々木 裕子 杏林大学, 保健学部, 准教授 (80265769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペアレンティング / メンタルヘルス / 介入研究 |
Research Abstract |
2013年度は、はじめて親となる夫婦の産後のメンタルヘルスの問題を予防するためのペアレンティング教育プロクラムの開発のために、周産期メンタルヘルスの先駆的な取り組みをしている豪州の施設、ビクトリア州Masada Private Hospitalの Mother Baby Unitにおいて、親教育プログラムの実践例の研修に参加し、シャドーイングを行った。プログラムの主な内容は、メンタルヘルスや児の問題を抱えた母親とその家族が、子どもを知り育児スキルを身につけるための滞在型プログラムで、①母親のリラックス、②児の睡眠のメカニズム、児の泣きの理解となだめ方、③夫婦から親への移行、④ストレスマネジメント等であった。 現在、これらのプログラムの中心的概念であり、産後うつのリスク要因である“児の睡眠となだめ方”と“夫婦の関係性と親への移行”を取り入れた、メンタルヘルス問題の予防に向けた体系的プログラムが日本の夫婦に適用できるか否か検討中である。具体的には、基礎調査として、育児中の母親の情報収集や意見交換、ママ友同士の関係構築のツールとして利用されているソーシャルメディア上に過去1年以内に発信された子育ての悩み(児の泣きとなだめかた、寝かしつけ)について質問内容を分析し、日本の子育て中の母親のニーズ調査に着手したところである。この結果と豪州のプログラム内容を比較検討し、日本の文化に合う親教育プログラム開発の基礎資料とする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラム開発の参考としている豪州の親教育の内容と日本の育児上の文化的な違いをどのように調整すべきか、検討に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.親教育プログラムの作成:母親のニーズ調査を基に、児の泣きとなだめ方に関する育児スキルと産後の夫婦の関係性構築を中心としたプログラムを作成する。 2.学習教材の開発:プログラム内容を反映した教材を赤ちゃん用、両親用に開発する。 3.縦断的介入研究の実施:従来のケアのみの対照群の調査、その後、介入群の調査を順次行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画立案時にはなかった海外への研修参加の費用が必要となり調整が必要であったこと、研究が予定より遅れたことから、プログラム作成に要する器材や教材作成費が使用されなかったこと、さらに研究成果の発表に至らなかったため。 今年度分と合わせて、①教材開発関連して、必要な器材の購入、教材の作成費、維持費、また、②調査に関連して調査表の印刷費、郵送費、研究協力謝礼、③成果発表時の旅費として使用する予定である。
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