2014 Fiscal Year Research-status Report
はじめて親となる夫婦のメンタルヘルス予防に向けたペアレンティングプログラムの効果
Project/Area Number |
25463518
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
佐々木 裕子 杏林大学, 保健学部, 准教授 (80265769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 順天堂大学, 大学院医療看護学研究科, 教授 (20216758)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ペアレンティングプログラム / メンタルヘルス / 妊娠期 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめて親となる夫婦への産後のメンタルヘルスの促進について先駆的な取り組みをしている豪州のペアレンティングプログラムを参考に、わが国の夫婦に見合うプログラムを開発するための文献検討と基礎研究を行った。 文献検討では、ローリスクの親を対象としたメンタルヘルス問題への妊娠期、または産褥早期からの介入には一定の効果があるといえ、プログラムには、産後うつ病のリスク因子である、夫婦関係と児の泣きや睡眠などの寝かしつけに関わる2つの内容を構成概念として組み込む必要があることが確認できた。 この結果を受け、基礎研究では、その国の文化が影響すると思われる、児の寝かしつけに対する0~4か月児の母親のニーズについて、Yahoo! JAPANが管理運営している、ヘルスケアQ &Aサイト『Yahoo知恵袋』に投稿された質問について、「赤ちゃん」and「寝かしつけ」をキーワードとして検索した投稿総数3855件の中から、2014年4月から過去約1年間の寝かしつけや泣きに関連した質問253件を分析の対象とした。データの分析にはNTTデータ数理システム社のテキストマイニングソフトText Mining Studio ver.5.0を用いて、量的言語解析を行い、その後、単語頻度解析、係り受け解析、月齢別特徴語分析を行った。その結果、「抱っこ」「母乳」「添え乳」が寝かしつけに関わるキーワードと考えられ、寝かしつけに関わる母親のニーズは、児の泣きや睡眠に関する知識、生活リズムや環境調整に関する知識、抱っこや添い寝に頼らない寝かしつけや再入眠を促すスキルであることが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産後の母親のメンタルヘルスの問題を予防するための教育プログラムの中心概念である夫婦関係と児の寝かしつけについては、文化的要素が強く、特に児の寝かしつけについてはわが国での先行研究が少なかったため、プログラム内容を裏付けるための基礎調査が必要であった。この調査の結果の分析、論文作成、国際学会発表にむけての準備等に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.文献検討および基礎研究の結果をもとに教材開発(Web教材)を行う。 2.同時に研究フィールドとの調整および、調査施設の倫理審査を受ける。 3.教材を用いて妊娠期の夫婦2~3組を対象にパイロットスタディを行い、教材の評価および改良を行う。 4.教材を用いた妊娠期からのペアレンティングプログラムの介入研究を行う。
|
Causes of Carryover |
ペアレンティングプログラムの開発のための基礎研究および結果発表に時間を要し、研究の進度が遅れたことから、当初教材開発に予定していた諸費用および器材の購入費を使わなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
Web教材開発(教材開発の謝礼、およびHP作成・維持費として委託費)のための必要経費および、教材の有用性の検討に関する調査(介入研究)の調査票印刷費および郵送料、研究協力謝礼、研究成果発表に必要な旅費等にて使用予定である。
|
Research Products
(2 results)