2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development and effect of parenting program for promoting postpartum mental health of first-time parents
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25463518
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
佐々木 裕子 杏林大学, 保健学部, 准教授 (80265769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (20216758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ペアレンティングプログラム / 教材開発 / 乳児の泣き・ぐずり / 寝かしつけスキル / メンタルヘルス / 初産のカップル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、はじめて親となるカップルへのペアレンティングプログラムを開発し、妊娠期からの介入が産後のメンタルヘルスに及ぼす効果を検証することである。Before and After Study(前後比較試験)による対照研究デザインにより、介入群(母親34名、父親22名)には開発した「赤ちゃんの寝かしつけ準備講座」Web教材の受講(妊娠30週以降、2日おきに6回)と介入前後(妊娠末期-産後2ヶ月)の質問紙調査、対照群(母親33名、父親28名)には質問紙調査のみを行い、①児の行動の理解と育児スキルの習得、②夫婦関係、③メンタルヘルスの3点から介入の効果を検討した。測定指標はSTAI Form-Yの状態不安、特性不安、エジンバラ産後うつ病評価尺度(以下EPDS)、夫婦関係尺度Marital Love Scale、コミュニケーションスキルであり、t検定、χ2検定、2要因および3要因分散分析等を行った。介入群では両親の児の睡眠や泣きに関する知識および育児スキルの習得率が有意に高かった(p<.05)。また、介入前にEPDS、状態不安が高かった母親の産後の夫婦の親密性が、同様にEPDS、特性不安の高かった母親の産後のコミュニケーションにおけるアサーティブ度がそれぞれ介入群に有意に高かった(p<.05)。さらに介入前にEPDS9点以上の母親では産後EPDSの上昇が抑えられた(p<.05)。しかし、父親のうつ傾向は産後に有意に高値を示した(p<.05)。以上より、本教材による妊娠末期からの介入は、両親の児の行動の理解と育児スキルの習得を促すほか、妊娠末期に抑うつや不安の高い傾向にある母親には産後の夫婦の関係性の維持、メンタルヘルスの改善に有効であったことから、母親が心理的に安定して育児を行うための有効な学習プログラムとして、本教材が出産前教育に活用可能であることが示唆された。
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Remarks |
「赤ちゃんの寝かしつけ準備講座」は赤ちゃんは夜なぜまとめて寝てくれないの?赤ちゃんはなぜ泣き止まないの?赤ちゃんが寝ない、泣き止まないときこそ大事な“夫婦のコミュニケーション”等、全6セッションからなる研究参加者専用の教育用サイトである。教材を閲覧するには、割り当てられた個別のIDを入力する必要がある。
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Research Products
(3 results)