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2013 Fiscal Year Research-status Report

家族とのパートナーシップを基盤とした訪問看護における認知症家族支援モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 25463573
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionOkayama Prefectural University

Principal Investigator

渡邉 久美  岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (60284121)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords認知症ケア / 訪問看護 / 職種間連携 / 情報共有 / アセスメント / 可視化 / 在宅ケア / 重症度評価
Research Abstract

在宅認知症ケアにおいて、利用者の状態を多職種で共通認識するための「認知症情報共有アセスメントシート」の開発を行った。認知症ケアに携わる訪問看護師、ヘルパー、ケアマネ―ジャー、医師等の専門職10名を対象に、認知症の情報共有に関するヒヤリングを行い、訪問看護師などの援助職は日頃の訪問で観察している認知症の症状を、主治医や多職種に的確に伝達する基準に対するニーズがあった。一方、医師が援助職に求める認知症に関する情報は、質量ともに多様であったが、少ない情報量で、視覚的にわかる情報提示へのニーズが開業医に多い傾向にあった。
これらの双方のニーズを、利用者に心理的負担が極力かからない方法で解決していく方法として、主として利用者との会話と観察で援助職が得られる認知症に関する情報を可視化できるマトリックスを作成した。例えば、「記憶」に関する情報は、最近の出来事、サービス利用状況、昨夜の食事、直前の食事、家族や仕事などの生活史と出身などの生育史などの記憶を会話のなかで確認し、回答状況から、正常、疑い、軽度、中等度、重度の5段階評価が行えるように基準を定めた。記憶、見当識障害などの中核症状以外にも、「会話と言葉」「対人配慮」「安全・遂行力」の項目をアセスメントシートに加え、それぞれ各5段階評価が行えるように基準を定めた。また、日常生活自立度についても、金銭管理や服薬管理などのIADLやADLについて、「ほぼ自立」から「全介助」までの5段階評価を行える形式とした。
今後は、これらを総合した情報から認知症の重症度を推定していくことを検討するが、完成に向けては、モニター利用等の課題と、信頼性・妥当性について症例数を増やして、既存の知能検査との相関や、評価者間信頼性などの統計分析を行い評価していく必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、記憶、見当識以外に、新たに創設した「会話と言葉」「安全・遂行力」などに関する項目について、得られた情報を割り振る基準を詳細に検討したため、最終段階のモニター利用まで到達しなかった。また項目数が多くなったため、現場で活用していくためには、項目あたりを構成する設問の分量を縮小していく作業が将来的には必要であると考えるが、より実用的なものにするためには、最初は多めに設定し、試用していく中で絞り込んでいく方が、より質の高いものとなると考え、詳細な項目を設定した。これらのスリム化にも時間を要するが、完成度をあげていくために必要であり、今後も継続していく。

Strategy for Future Research Activity

今後も、「認知症情報共有アセスメントシート」については、訪問看護師、開業医や専門職、サービス利用者と家族の協力を得てを改良し、評価者間信頼性等の検証を行う必要があるが、加えて、モデルの理念でもある家族へのパートナーシップに基づくアプローチ方法に関して、文献検討を踏まえて、訪問看護師が活用できるコミュニケーションツールを開発していく必要がある。
具体的には、家族介護者と訪問看護師の援助関係に応じて、出会いの時期、関係性を形成していく時期、問題解決に向けて協働していく時期などのプロセス毎に、家族介護者の状況をアセスメントすることのできるシートを開発していく。家族介護者のアセスメントにおいては、家族介護者の協力を得て、既存の介護負担感や精神的健康度を測定する尺度なども活用しながら、在宅ケアや認知症ケアにまつわる体験を表出できるものかどうかを評価した上で、構成を検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

情報共有アセスメントシートのモニター利用を予定していたが、これに至らず、協力者への謝金等にあてていた予算を次年度以降の使用となった。
今後、家族介護者のアセスメントシートの開発を行い、同時にモニター利用していく計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] A市の訪問看護ステーションにおける認知症高齢者の 職種間の情報共有に関する認識2013

    • Author(s)
      渡邉久美、村上礼子
    • Organizer
      日本家族看護学会第20回学術集会
    • Place of Presentation
      静岡
    • Year and Date
      20130831-20130901
  • [Presentation] レビー小体認知症の妻を介護する完璧主義の夫を訪問看護師が理解するプロセス2013

    • Author(s)
      村上礼子、渡邉久美
    • Organizer
      日本家族看護学会第20回学術集会
    • Place of Presentation
      静岡
    • Year and Date
      20130831-20130901

URL: 

Published: 2015-05-28  

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