2014 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師による家族の歴史の意味再構成化看護実践プログラムの開発
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25463596
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (90340116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長戸 和子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (30210107)
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家族看護 / 自宅での看取り / ライフヒストリー / がん療養者 / 家族介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年6月、倫理委員会の倫理審査を受け、承認を得て調査を開始した。調査対象者は、前年のプレテストの結果を踏まえ、がん療養者である夫を自宅で看取り終えた妻とした。研究者に対して、看取りに至る家族の歴史を語ってもよいと積極的な同意が得られた者であり、看取り後6か月以上が経過し、調査時安定した地域生活を送っていること、研究者との言語での意思疎通が可能な者を研究対象者とした。 2014年8月から2015年3月末日までに、11名の同意が得られ、家庭訪問によるインタビューを実施した。妻の語りの意味を解釈しながら、どのように家族の歴史の意味を再構成しているのかを現在質的研究法によって分析を行っている。 分析途中ではあるが、妻は、嫁いだ後の長い時間的経過の中で、家族を構成する母として、祖母として役割を担い、夫を看取る以前には、義理の家族を看取る嫁としての務めも経験していた。婚家においての看取りの経験は、人間関係を円滑に過ごすという嫁としての技を獲得する経験でもあったと解釈していた。婚家における看取りにおいては、実家の教えとしつけが心の支えでもあり、困難を乗り越えていく力へとつながっていた。夫のがん発症時には、夫の身体症状の発現とともに医療職の反応から、通常ではない予感をもち、闘病生活においては、繰り返し医療職から覚悟を促されるという経験があった。医師からの促しにより、自宅での看取りを決心するが、それは家族での看取り体制へとシフトしていくことであり、夫のがん罹患による壮絶な症状に家族が奮闘するという経験であった。夫を自宅で看取った後は、喪失を補う家族の存在があり、家族によって補完しあい歴史は構築されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年3月までに、予定通りインタビューによるデータ収集は終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はデータの分析結果より、看取りに至る家族の歴史における意味構成要素を抽出し、その後、構成要素を基にしたプログラムの開発を行う。
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Causes of Carryover |
設備備品として計上した物品の購入について、物品の性能を確認した後、購入予定としたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入物品の性能を確認した後、今年度購入の予定である。
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