2015 Fiscal Year Annual Research Report
倫理的悩みの解決に向けた精神科倫理コンサルテーション・システムの効果の検証
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25463597
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
大西 香代子 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (00344599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 和代 金沢大学, 保健学系, 教授 (60326080)
吉池 毅志 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (60351706)
Stone Teresa・E. 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70639236)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 倫理コンサルテーション / 精神科看護師 / 倫理的悩み / 倫理的問題の解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的1)の精神科看護師における倫理的悩みと倫理的感受性の関連については、日本だけでなくオーストラリアでの調査を予定し、倫理審査の受審やオンラインを利用した調査項目の作成を進めていたが、研究実施者が国外にいることで許可が下りず、まだ実施できていない。そのため、国内の結果をもとに両者の関連性を検証し、その成果を論文として発表した。 目的2)の精神科看護師からの倫理的悩みについての相談を受ける精神科倫理コンサルテーションの構築については、H26年6月にウェブサイトを立ち上げ、相談受付を開始した。開始に先立ち、医療全般にわたる倫理コンサルテーションを展開されている浅井篤・板井孝壱郎両氏の助言を得、また、アメリカの病院倫理コンサルタントの活動も視察し、相談に活かした。研究期間終了までの約1年半で、サイトの訪問者は2,000件を超えた。しかし、実際の相談は6件に留まった。それらすべての相談に対して、職種の異なる複数のコンサルタント(看護師、PSW、医療・生命倫理学者、精神科医、弁護士、ジャーナリスト、等)にそれぞれの立場からの意見を求め、それらを研究代表者がとりまとめて最終回答を作成し、相談者にメールで送付した。相談者は、看護師(50%)、医師(33.3%)、精神障がい当事者(16.7%)であり、相談受付から回答送付までに要した日数は、1~14日で、平均6.6日であった。相談内容は、隔離などの行動制限に関するものが多く、なかには倫理的だけでなく法的にも問題となる行動制限が行われている例もあった。相談者の同意が得られたものについては、相談内容及び回答をサイト内で公開した。また、この活動について、国際学会で発表した。 目的3)は、この倫理コンサルテーション・システムの効果については、まだ例数が少ないため、各相談者に質問紙調査をした。全例で「役立った」、「回答に満足した」との結果が出た。
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Research Products
(3 results)