2013 Fiscal Year Research-status Report
新人保健師人材育成の実用重視型プログラム評価における評価理論の体系化とモデル構築
Project/Area Number |
25463631
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
越田 美穂子 香川大学, 医学部, 准教授 (30346639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 小織 福岡女学院看護大学, 公衆衛生看護領域, 講師 (60369080)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プログラム評価 / 保健師 / 人材育成 / 中長期効果評価 / ロジックモデル |
Research Abstract |
研究テーマは、「新人保健師人材育成の実用重視型プログラム評価における評価理論の体系化とモデル構築」である。今年度は5年間の研究期間の初年度として、研究目的に関連する文献検討を行うと同時に、情報収集、成果発表そして研修の実施や研究の実践に向けた会議の開催等を行った。具体的内容は以下のとおりである。 まず、申請時から行ってきた保健師の人材育成やプログラム開発、効果評価などに関連する文献検討とそれらの整理を11月頃までに実施し、先行研究の検討を行った。その結果、保健師の人材開発に関する研究やその横断的な効果評価の文献は存在するが、プログラム理論を用いた中長期的な評価を行った研究は見当たらず、今後の本研究の成果の意義が明らかになった。 また8月に徳島市で開催された地域看護学会や10月に津市で開催された日本公衆衛生学会に出席し、関連領域における情報収集や情報交換を行い、今後の研究遂行の参考にした。さらに公衆衛生学会では本テーマに関連する保健師の教育プログラムについて(前年度までの科研成果)の発表を行った。この成果は論文として、四国公衆衛生学会誌に掲載された。(2014年2月) それらと並行して、8月と2月には、プログラム評価がご専門の西武文理大学准教授である安田節之先生に本研究におけるプログラム評価の方法についてご指導いただき、さらに今後の調査研究方法についてもご示唆を受けた。さらに2月には同様に安田先生をお招きして、プログラム評価に関する研修会を開催し、研究分担者・協力者、また実践者を対象にプログラム評価の基本的な理論や活用方法等について教授を受けた。このことにより、研究チーム内での理論や方法論の理解と共有が可能になり、今後の研究推進の基盤となる円滑な体制づくりができ、研究目的である、ロジックモデルの策定による評価理論の設定と、評価可能性アセスメントを実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の目的として当初は、プログラム評価自体の評価計画の明確化を目的に、1.ロジックモデルの策定による評価理論(ロジックモデル)の設定、2.評価可能性アセスメントの実施、3.ゴールと目標の優先順位と実現可能性の明確化評価の実施の3点を挙げ、具体的方法として、1).文献検討及びプログラム評価の研修を開催し、評価方法に必要な専門知識を獲得する、2).プログラム評価における各介入プログラムの概略(投入資源、活動内容、アウトプット、アウトカム、インパクト)を司るロジックモデルを策定し評価理論を検討する、3).評価が可能なプログラムであるかを、情報収集方法、理論的背景と仮説の明示化、評価デザインと測定方法の検討、合意形成の有無等で検討する、4).設定したゴール及び目標が評価可能か確認するために、ゴールの優先順位評価(ステークホルダー会議によるゴール概念の抽出やKJ法などを用い、短期・中期・長期ゴールを達成するための介入方法を現時点の実施内容と共に再検討)及び実現可能性の評価(介入方法とゴールの一致、整合性の有無、時間や資源の制約等の検討)を実施する、の4点を挙げていた。 このうち、1)から3)については前述したとおり、文献検討や研修会、また研究チームでの検討を通し、ロジックモデルの設定や評価可能性アセスメントを実施することができたことから、順調に進展していると判断した。 一方、4)の実現可能性の評価については、データの取り扱いや倫理的配慮に関して、対象自治体との綿密な協議や倫理委員会での検討が必要なこと、またこの内容が今後の調査遂行の要であり、次年度以降の内容と並行して実施することが重要なため、次年度からも段階を追って進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のとおり、26年度以降は、設定したゴール及び目標が評価可能か確認するために、ゴールの優先順位評価及び実現可能性の評価を実施し、今後の中長期評価のための基盤づくりを行う。 具体的な方法としては、ステークホルダー会議によるゴール概念の抽出やKJ法などを用い、短期・中期・長期ゴールを達成するための介入方法を現時点の実施内容と共に再検討し、介入方法とゴールの一致、整合性の有無、時間や資源の制約等の検討を行い、今後のデータ集への準備を行う。また、検討内容を調査計画に落とし、整理後、対象自治体の倫理委員会への提出と、その了承後は対象からのデータ収集と分析を行う。 同時に、適宜指導者を招いて研究チームの研修会やデータ結果の検討を実施し、その経過を国内外の学会等で発表していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に購入予定のモバイルPCとそれに付随するソフトが、主となる分析の開始が次年度にずれ込んだため未購入であり、またそれに関連した会議やデータ分析のための謝金についても使用できなかったため、残金が生じている。 26年度にずれ込んだ調査データ収集と分析を実施するための、モバイルPCとそれに付随するソフトの購入、またそれに関連した会議やデータ分析のための謝金、およびその発表のための旅費や投稿料等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)