2013 Fiscal Year Research-status Report
地域住民ボランティア参加型の緩和ケアネットワークモデルの構築
Project/Area Number |
25463636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
照屋 典子 琉球大学, 医学部, 助教 (10253957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 洋子 琉球大学, 医学部, 教授 (00196908)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 緩和ケア / 住民ボランティア |
Research Abstract |
緩和ケアボランティア養成プログラム開発に向けた情報収集を目的として、以下の調査、視察を行った。 まず、県内2施設で活動している緩和ケアボランティアを対象に、活動の現状や日々の活動で感じている事柄に関する半構成的面接調査を実施した。面接内容より逐語録を作成し質的に分析した。その結果、調査への協力が得られたボランティア20名の基本属性は、男性3名、女性17名、平均年齢60.5±15.9歳、緩和ケアボランティア活動歴5.9±4.0年であった。活動のきっかけは、【緩和ケア・ホスピスへの関心】、【身内・知人の死】、【地域社会への貢献】等であった。活動内容は、病室内の環境整備や年間行事の運営等でそれらを通して、患者・家族との関わりを持っていた。患者・家族との関わりで留意している点については、【接遇】【プライバシー遵守】【深く立ち入らない】【傾聴・受容の姿勢】【普段の生活の風を運ぶ】等であった。ボランティア活動は、対象者の【生活の一部】で、同じ志を持つ仲間との活動、交流を通して【元気になれる】【優しくなれる】【生と死について学び考える】場となっていた。今後のボランティア養成については、【地域社会の理解】【活用する側の理解と受入れ体制の整備】に向けた普及・教育活動の必要性、コーディネーター育成を挙げていた。以上のことから、今後は一般市民の関心を高めていくために、緩和ケアボランティア活動の意義について情報発信を広く行う必要性が示唆された。ボランティア養成に向けては、終末期にある人やその家族の理解を深めるための知識や心構えに関する講座、意見交換、相談等の体制を整えることが重要と考える。 また、県内のこども病院、及び緩和ケア病棟を有する民間病院のボランティア養成講座の視察を行い、講座の形態・内容、ボランティア登録方法、活動支援体制等についての情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、計画通り、県内の緩和ケア病棟を有する病院で活動する緩和ケアボランティアを対する調査、並びに県内2施設におけるボランティア養成講座の視察を行い、養成プログラム内容やボランティアを導入するにあたっての環境整備に関する情報収集を行った。 従来の計画では、県外施設における緩和ケアボランティア養成講座の視察も行う予定であったが、視察を予定していた講座の開催がなかったこと、及びその他の施設での講座視察についても検討したが、大学での講義・実習に重なったため、時期的に視察が困難であった。 また、従来の計画では、調査や視察より得られた情報をもとに、今年3月中に研究協力者(研究協力施設A病院 緩和ケア病棟師長)と平成26年度開催する緩和ケアボランティア養成講座のプログラムの開発を行う予定であった。しかし今年3月の時点で、研究協力施設内での緩和ケアボランティア養成に関するコンセンサスが得られておらず調整中とのことから、プログラム内容の完成には至らなかったので、計画が多少遅れている。 しかし、養成講座の開催時期、回数、プログラム内容、ボランティアに望む具体的な活動、受講者の募集や今後の計画等については3月に打ち合わせを行い、情報共有ができたので、次年度4~6月までにはプログラムを完成させ、開催に向けての準備にかかりたいと計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)6月頃までに緩和ケアボランティア養成講座についての具体的な開催要項(日時、場所、プログラム内容)を完成させた後、養成講座開催に向けての参加者の募集、講話担当者との打ち合わせ等の準備を行う。 2)7~8月に県外(広島県緩和ケアセンターなど)で開催されている緩和ケアボランティア養成講座の開催があれば、養成講座、及び病棟やデイケアによるボランティア活動の視察を行う。 3)9~11月中に養成講座の開催、参加者によるアンケート等でプログラム内容の評価を行う。その間、ボランティアを導入する体制について、研究協力者や緩和ケア病棟スタッフとの打ち合わせを行う。 3)11~2月 養成したボランティアによる緩和ケア病棟での活動支援、フォローアップの検討 4)3月 ボランティア、並びに緩和ケア病棟スタッフを対象とした聞き取り調査によりボランティア導入の評価を行い、次年度の養成講座、活動に向けての指針、体制について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度、従来の計画では、県外施設における緩和ケアボランティア養成講座の視察も行う予定であったが、視察を予定していた講座の開催がなかったこと、及びその他の施設での講座視察についても検討したが、大学での講義・実習に重なったため、時期的に視察が困難であったことから、その分の支出がなく、次年度へ持越しとなった。 研究協力者(研究協力施設の緩和ケア病棟看護師長)と県外で開催されている緩和ケアボランティア養成講座の視察を予定している。
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