2014 Fiscal Year Research-status Report
都市に暮らす高齢者のソーシャル・キャピタルの実態と今後の地域保健福祉活動
Project/Area Number |
25463637
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
清水 光子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (50433131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 里江 札幌市立大学, 看護学部, 助教 (40613683)
櫻井 繭子(塚辺繭子) 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (80382547)
河原田 まり子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (90374272)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 都市部 / 高齢者 / 地域住民 / グループインタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:本研究の目的は、高齢者の健康と生活のニーズに沿った都市型の地域保健福祉活動を、ソーシャル・キャピタルの視点から検討することである。平成26年度は、「地域でのサポート活動の実際と課題」を明らかにしたので報告する。 方法:A市の高齢化率が高い3地区において、高齢者をサポートしている人々を対象に、各地区1回約120分間のグループインタビューを実施し、質的記述的研究方法により分析した。 結果:インタビュー参加者は合計22名であった。地域での高齢者のサポートは、公的機関、見守りや相談の役割を担っている町内の人々、各種ボランティアなどによって行われていた。サポートの実際は、6カテゴリー〔関係機関と一緒に高齢者の相談体制を整える地域住民〕〔公的なサービス〕〔高齢者の見守り〕〔地域住民や関係機関で行う認知症の方への支援〕〔地域の活動から生まれる高齢者支援〕〔閉じこもり予防としての場の設定〕を抽出した。サポートの課題は、7カテゴリー〔閉じこもりがちな住民〕〔医療福祉サービスに繋がらない〕〔認知症高齢者への対応〕〔サポートが必要な人の把握〕〔近隣の人々との関係性〕〔住民ニーズへの対応〕〔少子高齢社会のまちづくり〕を抽出した。サポートの課題には、地区による特徴が一部みられた。 考察:高齢者が生きがいを持ち地域で生活していくには、家族やコミュニティの人々、行政機関などからの継続したサポートと、本人の地域社会活動が重要である。そのためには、ソーシャル・キャピタル(地域住民同士の信頼、絆、互換性の規範)を高め合うコミュニティづくりの検討が必要であると考える。また、地域に暮らす認知症高齢者への対応が急務であると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度は、以下2つの調査を実施する予定であった。 1)地域に居住する高齢者の実態調査(26年度11月実施予定):下記の理由により実施時期を27年3月とした。①25年度のインタビュー分析に時間を要したため ②対象となる一部の地域では、26年1月に65歳以上の方を対象に健康に関する調査が実施されたため、本調査は実施時期を遅らせた。現在、本調査のデータを入力中であり今後分析を行う。 2)保健福祉活動の先進的な地域の視察:上記の調査が遅れたため実施できず、27年度にずれ込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
1)地域に居住する高齢者の実態調査結果を分析する。 2)保健福祉活動の先進的な地域の視察は、最新の情報を得て視察場所を検討し、上記1)と同時進行で実施する。 3)25年度~27年度の調査結果をまとめ、高齢者のニーズに沿った都市部における地域保健福祉活動を考察する。 4)科学研究費助成事業の報告とは別に研究報告書作成を予定していたが、期間内に実施は不可能と思われる。平成28年度に個人研究費により実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより、人件費及び視察経費が支出されなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)人件費は、26年度の実態調査の入力等で支出予定である。 2)視察経費は、27年度に視察を実施するため支出予定である。
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