2015 Fiscal Year Research-status Report
月経周期に着目した育児期女性のQOL評価と子育てへの影響に関する縦断研究
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25463645
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
都筑 千景 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00364034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝本 妙子 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (50290218)
波田 弥生 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (00438251)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 母子保健 / 子ども虐待予防 / 子育て支援 / PMDD / PMS / 母親 / 育児 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、女性の多くに潜在する月経周期に関する心身の症状に着目し、育児期女性における実態を把握するとともに、育児期女性のQOLを評価すること、またそれらが子育てにどのように影響を及ぼしているかについて、横断調査と縦断調査により明らかにすることである。 1回目調査(横断調査)はH27年6月~H28年7月に調査票を配布し、5自治体4235名に配布し、1284名より回答が得られた(回収率30.3%)。 母親の平均年齢は33.4±4.9歳、修学年数は14.5年であった、就労有が17.7%、核家族世帯91.8%、子どもの平均人数は17.±0.8人であり、第1子の平均年齢は3.0±3.1歳であった。母親の健康状態、子どもの健康状態については良いが91.6%、98.0%であった。全体のWHO/QOL平均値は3.36±0.5であった。そのうちPMDDの疑いのある人は63人(5.6%)、PMDD疑いあり群となし群の2群で比較したところ、あり群のQOLすべての領域、SOC総得点、養育肯定感得点において疑いあり群が有意に低く、不適切な養育行動9項目と行動不安2項目の得点が有意に高かった。 育児期女性QOLは、30代女性のQOL平均値と比較して高く、特に社会関係領域について高かった。今回のPMDD疑いの頻度は宮岡(2009)の結果5.9%とほぼ同じであった。PMDDが疑われる者はよりQOL、SOCが低く、不適切な養育行動および行動不安が高いという結果であり、PMDDは育児期女性のQOLや子育てに大きな影響を与えている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
横断調査(1回目調査)は開始前に調査自治体との調整に時間を要したものの、開始後は順調に経過した。当初、実施期間はH27年6月~H28年5月までの予定であったが、縦断調査の対象となる母親の数(縦断調査予定自治体において1回目調査の返送がありかつ2回目調査の同意が得られた母親)の返送が少なかったこともあり、2か月延長して実施した。 その結果、縦断調査対象者は244名、H27年12月から縦断調査対象自治体において、2回目調査票の配布を開始した。2回目調査の回収率向上のため、調査回答お礼はがきを作成し、送付している。なお縦断調査の終了予定はH28年1月である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の当初計画として、縦断調査は3-4か月児、1歳半、3歳時点と3回を予定していたが、縦断調査対象児が3歳になる時期はH29年6月以降であり、調査開始の遅れによって3回目調査実施は本研究助成期間に間に合わず、本研究の成果としては2回目調査結果までになる見込みである。 今年度、改めて科研申請を行い、同テーマでの研究を継続していけるように努めたい。
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Causes of Carryover |
横断調査の回収率が思ったより伸びず、当初計画より横断調査配布数を2500部ほど追加した関係で、調査票印刷費、尺度転載利用料、郵送費などの増額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
増加分に対しては、支払いを分割するなどして対応した。縦断調査については今年度予算で十分対応できる予定である。
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Research Products
(1 results)