2016 Fiscal Year Research-status Report
人間関係形成の視座から開発する住民主体の子育て支援プログラムに関する研究
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25463660
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原田 春美 福岡大学, 医学部, 教授 (70335652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 美智子 広島文化学園大学, 看護学研究科, 特任教授 (20161961)
寺岡 佐和 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60325165)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 住民主体 / 人間関係形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域住民が主体的に参加し支えあう子育て支援プログラム、すなわち健やかな子育てを実現するための母親とパートナーをエンパワメントし関係形成を促す妊娠期からの継続した子育て支援プログラムを開発することである。この子育て支援プログラムは、妊娠期から子育ての時期を通じた継続的でタイムリーな支援、母親とパートナーが共に子育てに取り組むことへの支援のためのものである。プログラム参加者は、プログラム開始時の妊娠月数が5か月~6か月頃の母親とそのパートナーとし、年齢や妊娠中の児が第一子か否かは問わないこととした。参加者の負担を考慮して、妊娠期は妊娠5か月頃より月に1回で4回、出産後は産後2か月頃より月に2回で10回、計14回とした。プログラムは、講義、交流会、妊娠期は母親の生活と健康に関するトピックス、子育て期はこの時期の子どもの様子と子どもの世話に関するトピックス、今日の振り返りシートの記入で構成した。講義の主な内容は、妊娠期は母親になるということ、マタニティヨガ、出産の準備、母乳栄養等、子育て期は子どもの成長と発達、利用できる社会サービス、産後ヨガ、子どもの病気と上手な病院のかかり方、離乳食(座学と調理実習)、子育て期の母親の健康、子どもの遊び、ブックスタート等であった。本年は実施したプログラムの評価を行い、報告書を作成した。評価方法は、プログラム前、プログラム再開後、プログラム終了時の3回のアンケート、交流会の録音の逐語録と振り返りシートの内容分析、スタッフの観察情報等を用いた形成的評価と総括的評価であった。また、プログラム終了後、実施したプログラムについて、参加者並びにスタッフへの聞き取り調査を実施した。評価の結果、プログラムに関して肯定的な意見が多く、参加者相互の関係形成や子育て不安の軽減等成果も得られたことから、実施後のプログラム修正は必要ないと判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラムはを計画どおり実施し、評価結果も良かった。プログラムの立案と立案したプログラムの内容、実施状況、プログラム評価に関する報告書も作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
母親の出席率は高く、形成的評価も総括的評価も良かった。関係形成や子育て不安の軽減という成果も得られた。ただ、子育て期には父親の出席が少なくなり、課題が残った。先行研究と同様、本研究でも産前は高かったように思えた出産や子育てに関しての父親の積極的なかかわりが減少しているように感じられた。 今後は、父親意識やその変化に焦点をあてた研究を行い、健やかな子育て、父親も母親も参加する子育て支援のプログラムを開発したい。
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Causes of Carryover |
海外での情報収集や結果の公表等を予定していたが、適当なものがなかったため海外出張を行わず、保健師への聞き取り調査や国内学会等で情報収集を行ったことから、必要とする経費が計画よりも少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発した子育て支援プログラムに関して学会発表や論文投稿等で研究結果を公表すると共に、父親意識やその変化に焦点をあてた研究を行い、健やかな子育て、父親も母親も参加する子育て支援のプログラムを開発したい。
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