2016 Fiscal Year Annual Research Report
Barrier-free maintenance issues to enable people with disabilities to access the castle for sightseeing
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25501010
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
吉田 倫子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (00326422)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バリアフリー / 文化財 / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,文化財を保存,公開しようとする文化財保護の立場と障害のある人にあらゆる機会を提供しようとする障害者福祉での立場による公共性には差異があることを認め,現在文化財において観光整備によりバリアフリー化がおこなわれていることに着目し,文化財が観光を糸口としてどこまで障害者福祉に踏み込んでいるかを明らかにするものである。管理者の意向の把握と文化財のバリアフリー整備状況の把握を行った。 管理者の意向としては、バリアフリー整備は一定の予算内で実施している。しかし、バリアフリー整備を必要としている方が何を望んでいるのか直接対話することで、制度上困難な整備でも仮設で対応しようとする意向があることがわかった。 今年度は、城郭ではない世界遺産原爆ドームを中心とした平和記念公園のバリアフリー整備を検証した。地理的には平坦な敷地内でもいくつか段差が見られたが、見学路の選択でアクセスが可能となっていた。また、敷地内にある施設(車いす用便所あり)の整備状況も障害者の方々に同行してもらい、実地踏査した。建築年代が古いこともあり配慮は十分でない点が明らかになった。また運用の点も改善が必要であった。観光だけでなく、防災の観点からも課題が見られた。 バリアフリー整備は一定程度進められているが、文化財間での共有は十分ではない。今後は文化財間での共有を行い、また配慮の必要な方の直接の意向を聞いていく段階に入っていると思われる。また、観光だけでなく、防災の観点からもバリアフリー整備の可能性を検討することも重要である。
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Research Products
(1 results)