2014 Fiscal Year Research-status Report
介護重度化予防を目的に「低栄養改善」のための「在宅・施設連携ケアモデル」の構築
Project/Area Number |
25510012
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤尾 祐子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (60637106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 典子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (30621726)
横島 啓子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (50369469)
井上 善行 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 准教授 (50611696)
小平 めぐみ 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 講師 (00611691)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 介護重度化予防 / 低栄養改善 / ケアレベル / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
要介護となる原因の一つが「低栄養」である。2006年の介護保険法改正により、介護予防の柱に「低栄養改善」が導入されたが、介護予防事業導入後も「栄養改善」を必要とする高齢者は3割を占める。高齢者の介護重度化予防のために、「低栄養改善」は喫緊の課題といえる。この課題は、ケアレベルにおける「栄養管理」の具体的方略の欠如が原因であり、在宅及び施設サービスに共通するケアアプローチをプログラム化する必要がある。本研究は、介護重度化予防を目的に「低栄養改善」のための「在宅・施設連携ケアモデル」を構築し、提言することを目的とする。 2013年度は、量的記述的研究デザインによる横断調査研究として、秋田県、埼玉県、東京都、静岡県、愛知県、岡山県、大分県の全国7地域において、介護保険サービス従事者を対象に、要介護高齢者の栄養に対する意識調査を実施した。在宅サービス従事者225名、施設サービス従事者415名、計641名の調査結果が得られた。調査結果は、サービス従事者の要介護高齢者の栄養に関する意識として、サービス種別、職種による偏りを認める結果であった。この結果から、本研究の目的である在宅及び施設サービスにおいて連携のためのケアモデル構築の前段階として、在宅と施設で共有可能なケアレベルでの何らかの仕掛けとなるツールの必要性が示唆された。 2014年度には、2013年度と同様に量的記述的研究デザインによる横断調査研究において、全国の介護施設に入所している要介護高齢者及び在宅サービス利用の要介護高齢者を対象に、栄養状態としてBMI、血清アルブミン値、食形態、食事摂取量、心身機能として要介護度、障害高齢者日常生活自立度、認知症高齢者日常生活自立度、歩行能力、口腔機能として歯の状態、むせの状態についてを実態調査した。施設入所者320名、在宅サービス利用者161名の調査結果が得られた。調査結果の詳細は、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度は、介護保険サービス従事者の要介護高齢者の栄養に関する意識調査を実施し、調査結果の分析から本研究の目的達成のための示唆が得られた。2014年度は、施設入所及び在宅サービス利用の要介護高齢者の栄養状態、心身状態、口腔機能について実態調査を実施した。現在結果は分析中であるが、2015年度には、この2つの調査から得られた結果を基に、本研究の目的である介護重度化予防を目的に「低栄養改善」のための「在宅・施設連携ケアモデル」の構築に至ることは可能であると思われ、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の研究計画を遂行できているため、今後も計画の変更は予定していない。本年(2015年)度は本研究の最終年度となるため、調査研究結果の総括及び提言をする予定である。 具体的に2013年度では、介護保険サービス従事者を対象とした「要介護高齢者の栄養状態に関する意識調査」の結果として、サービス種別及び職種を問わず、要介護高齢者の栄養状態に対して高い意識をもっていない実態であった。また、サービス種別、職種により偏りが認められた。2014年度の施設入所者及び在宅サービス利用者の栄養・心身状態及び口腔機能の実態調査結果は現在分析中であるが、2013年度の調査結果と関連性を分析し、在宅・施設サービスともに共有可能な、連携のツールとなる「低栄養改善」のためのケアモデルへと集約していく。さらにケアモデルの構築にあたっては、医学、歯学、リハビリテーション学、介護福祉学の専門家チームから学術的助言を得ながら精選させていく。最終的には学会等での発表及び論文により社会へ提言していく予定である。
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Causes of Carryover |
2015年度は本研究の最終年度あり、2013年度及び2014年度の研究調査の詳細なる分析と、ケアモデルの構築に向けた専門家チームによる会合を予定しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2013年度及び2014年度の研究調査結果分析、ケアモデル構築に向けた専門家チームによる会合を開催する費用と、研究結果を提言するための学会等に発表の費用とする。
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Research Products
(2 results)