2014 Fiscal Year Research-status Report
通所介護事業所の利用者に関する質的ケア記録の電子化と活用に関する研究
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25510022
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
小関 祐二 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (10373127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西下 彰俊 東京経済大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80156067)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ケア記録の電子化 / テキストマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度4月から9月までの半年間のデータを対象としてテキストマイニングを行った。研究分担者と共に、そのデータによる分析を行った。 分析の結果、研究対象の2ヶ所の通所介護事業所において、設定された短期目標の分類項目と、ケア記録のテキストマイニングから得られた分類項目との間の一致度が低く、利用者によって0%~57%とばらついていることが判明した。 また、短期目標に挙げられていない項目の記述が多く、利用者によって30%~83%とばらついていた。たとえば、レクレーションに関する記録が多いものの、その利用者の短期目標にレクレーションの参加が設定されていない、などである。他にも、「短期目標が漠然としている」、「短期目標に達するためのアプローチに対して結果を記述出来ていないため、どのケア記録が目標にリンクするのかが不明瞭」、「短期目標にアプローチするためには利用者の状態が悪すぎる」などの要因による不一致が多かった。 短期目標とケア記録の不一致を減らして利用者により良いケアを提供するためには、「ケア記録の本来の意義と重要性を再確認記録の書き方を指導する」、「ケア目標とケア記録をテキストマイニングした結果を突き合わせて随時見直し、スタッフへの情報提供を行う」、「短期目標とアプローチを具体化する」など、基本的な取り組みを事業所内で再確認することが必要となる。 以上、テキストデータの量的な把握が行えたのは、テキストマイニングによる記録分析の成果ともいえるが、記録に関する多くの課題が浮かびあがったのも事実である。次年度は、データ件数を増やし、引き続き新たなケア記録の活用方法を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
毎年スタッフの異動が多いが、今年度は一つの対象事業所の管理者が退職した。研究の窓口であったことから、分析結果の確認作業に想定以上の時間を要し、分析作業が長引いた。
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Strategy for Future Research Activity |
開発運用したデータベースシステムについて、平成26年度では半年間を研究対象として分析を行ったが、平成27年度は1年間に延長して分析データ数を増やす。分析方法にコレスポンデンス分析を加え、計画通り、電子化されたデータの新たな活用方法を検討する。
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Causes of Carryover |
主な理由として、先進事例の調査予定先との日程調整が年度内で完了しなかったため旅費の執行が出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
先進事例の調査を10月頃までに完了する予定である。本来は今年度の予定であるが、当初予定に追いつくように計画している。
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Research Products
(1 results)