2016 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical significance of REM sleep behavior disorder comorbid with depression
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25515009
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
井上 雄一 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (50213179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 春夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (10228520)
咲間 妙子 (笹井妙子) 東京医科大学, 医学部, 講師 (70419026)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | REM睡眠行動障害 / うつ病 / 抗うつ薬 / REM sleep without atonia / 自律神経機能 / 嗅覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
REM睡眠行動障害(RBD)は、α-synucleinopathyへの発展リスクを持った高齢男性に好発する睡眠時随伴症だが、近年中高年期うつ病者に散見されることが報告されており、われわれも昨年までの研究でその実態を明らかにしてきたが、その病的意義(特にα-synucleinopathyとの関連性)と抗うつ薬の影響は明らかでない。本年度は、治療薬の影響を除外するため、うつ病合併RBD患者(dep RBD)について、うつ症状緩解後に抗うつ薬を4週間以上中止して、RBD指標、自律神経機能、嗅覚機能を調べ、iRBD患者ならびに対照群との比較を行った。その結果、dep RBDでは、薬剤中止後にRWA量が減少、RBD症状が軽減していたものの、夜間後期でのREM sleep without atonia(RWA)量は相動性RWA・持続性RWAともに薬剤服用時点と同水準で持続していた。しかしながら、認知機能(MOCAスケール)、自律神経機能(立位負荷血圧変動と心筋MIBG)、嗅覚機能の水準はいずれも対照群より低下傾向で、iRBDと同水準であった。 以上より、dep RBDではRBD病態は非服薬下でも存在するものの薬剤の影響により悪化する可能性があり、罹病期間が同程度のiRBDよりも軽症で推移する可能性があると考えられた。しかしながら、認知機能・自律神経機能・嗅覚機能低下などのα-synucleinopathy関連マーカーはiRBDと同程度に障害されていることから、神経変性疾患への発展リスクは特発性症例と同水準で存在するものと考えられ、軽症RBDであっても注意を要すると考えられた。
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Research Products
(8 results)