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2013 Fiscal Year Research-status Report

畜産物の安全担保:原発事故由来放射線物質の家畜での生殖機能評価・動態・軽減法開発

Research Project

Project/Area Number 25517004
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

李 俊佑  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (10313082)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 眞鍋 昇  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80243070)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2018-03-31
Keywords放射線汚染 / 豚
Research Abstract

1. 放射線物質汚染地域の屋内で飼育された豚と放射性物質に関して調査研究を行った。2011年6月28日東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故後警戒区域(20キロ圏)内で109日間にわたって屋内で飼育され続けた原種豚(26頭:デュロック種雄3頭雌8頭、大ヨークシャー種雄4頭雌2頭、中ショークシャー種雄2頭雌4頭、ランドレース種雄1頭雌1頭、バークシャー種雌1頭:年齢は8月齢から7.5年齢)を、茨城県笠間市(福島第一原子力発電所から西南約130キロ)に位置する東京大学附属牧場に運搬し調査研究を行う運びになった。搬入されてから健康回復を主眼とした飼養管理を施し、定期的に体尺、血液生化学および血液学検査等を行って健常性を評価すると共に生殖機能と子孫に対する影響評価をした。救済された26頭の内11頭は斃死(平均6.2±2.1歳)し、母豚16頭の内6頭が10回分娩し、121頭の仔豚を出産した。分娩1ヶ月前の母豚の体重はデュロック247kg、中ヨークシャー220kg、大ヨークシャー249kgであった。なお発情周期を正常に表さない母豚に関して二日毎に10回ほど採血し、末梢血中性ホルモンレベル等を調べて原因を検討した。また、定期的に血液を採取し生化学および血液学検査行った。比較対照として附属牧場の近隣の養豚場と当牧場から生まれ成育した豚35頭分のデータと比較検討した。
2. 馬における放射性セシウム動態と定期的に血液を採取し生化学および血液学検査行った。
3. 研究結果に関して2013年4月26~30日中国農業大学動物科学学院動物繁殖学セミナー、2013年9月9~10日日本畜産学会117回新潟大会、2013年9月20~22日第156回日本獣医学会岐阜学会、2013年10月12~18日延辺大学農学院セミナー&2013年10月18~22中国農業大学動物科学学院動物繁殖学セミナーにて発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1. 搬入されてから健康回復を主眼とした飼養管理を施し、定期的に体尺、血液生化学および血液学検査等を行って健常性を評価するとともに生殖機能と子孫に対する影響評価が出来るようになった。救済された母豚から121頭の仔豚を生産することができ、またその仔豚(第2世帯)を成豚まで育成し第3世代を生産する段階まで至っている。よって放射線被曝された母豚から生産した仔豚と当牧場で生まれ被曝されていない母豚からも仔豚を生産し被曝が血液成分、血液の生化学指標に与える影響のみならず遺伝的な影響も研究できる段階まで進むことができた。
2. 2011年に当牧場にて生産された放射線汚染粗飼料を用いて馬における生物学的半減期、血液成分と血液の生化学指標に与える影響も研究した。

Strategy for Future Research Activity

豚は通常ウインドレスの屋内で飼育されており、豚用の飼料の原料も通常屋内で保管し、機械で配合し、密封された運搬車により運搬され、養豚業者の専用飼料貯蔵用のタンクにて数日分購入保管され配送用パイプを通して豚の飼槽まで運ばれる。また今般研究用として運搬された豚の豚舎の給水は当地の地下水であり、事故当時から地下水は汚染されていないことを確認している。よって搬出当初は豚の放射線被曝を殆ど予想していなかった。が、73日経った時斃死した1頭の豚を通常通り病理解剖を実施し、諸組織と臓器の試料を採集して放射線セシウム検査をした。その結果、採集諸組織と臓器から低いレベルであるが放射線セシウムが検出された。救済された豚は放射線汚染地域を離れ非汚染飼料で約73日間飼育したにもかかわらず検出された。放射線セシウム汚染はどのようなルートでされたのだろうか?また、どの程度被曝されたのだろうかに関しても研究を進めたい。
また、豚は人と生理学的、解剖学的類似点が多く1940年代からヒト用の臓器移植(異種移植)対象動物として研究が盛ん行われてきたことからも推測できるように、豚を用いた放射線の研究結果は人への外挿が比較的容易に行える可能性が高いと思われる。しかも生命現象の進行速度が人より5倍程度速いことから、発症潜伏期が約10~20年と言われる放射線による甲状腺腫瘍、あるいは他の健康に与える影響などに関して早期に参考可能なデータを提供できるのではないかと考えられる。今回の供試豚の寿命が尽きるまで飼養した場合の知見、世代を重ねた場合の知見などの集積に努めたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

血中ホルモン検査用のキットを1回に使い切るには一定数の試料必要であり時期を待った。
血中のホルモン測定キットを購入する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013

All Presentation (5 results) (of which Invited: 3 results)

  • [Presentation] 日本原子力発電所事故による畜産品と動物健康における影響2013

    • Author(s)
      李俊佑
    • Organizer
      中国農業大学(北京)
    • Place of Presentation
      中国農業大学(北京)
    • Year and Date
      20131018-20131022
    • Invited
  • [Presentation] 日本原子力発電所事故による畜産品と動物健康における影響2013

    • Author(s)
      李俊佑
    • Organizer
      中国延辺大学(吉林省)
    • Place of Presentation
      中国延辺大学(吉林省)
    • Year and Date
      20131012-20131018
    • Invited
  • [Presentation] 放射線被曝原種豚の繁殖性に関する調査研究2013

    • Author(s)
      李俊佑
    • Organizer
      第156回日本獣医学会岐阜学会
    • Place of Presentation
      岐阜大学
    • Year and Date
      20130920-20130922
  • [Presentation] 放射線被曝豚のセシウム動態に関する調査研究2013

    • Author(s)
      李俊佑
    • Organizer
      日本畜産学会117回新潟大会
    • Place of Presentation
      新潟大学
    • Year and Date
      20130909-20130910
  • [Presentation] 日本原子力発電所事故に於ける畜産業への影響2013

    • Author(s)
      李俊佑
    • Organizer
      中国農業大学(北京)
    • Place of Presentation
      中国農業大学(北京)
    • Year and Date
      20130426-20130430
    • Invited

URL: 

Published: 2015-05-28  

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