2014 Fiscal Year Research-status Report
放牧牛および舎飼牛における畜産物への放射性セシウムの移行阻止と回収技術の確立
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25517006
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
井上 達志 宮城大学, 食産業学部, 教授 (20264351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 光晴 宮城大学, 食産業学部, 教授 (40151386)
須田 義人 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (90404847)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 畜産物 / プルシアンブルー / 徐放 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究では、放牧中の肉牛など毎日の飼料給与時に放射性セシウムの吸着材であるプルシアンブルー(PB)を投与できない状況にある反芻家畜において、一度の投与で反芻胃内に留まり、安定的に一定量のPBを放出する徐放剤の作成法を検討した。 【実験Ⅰ】材料と方法:IAEA によるBoli の構成比は、PB:15-25%、沈降性バリウム: 60-75%、蜜蝋: 10-15%とされており、一定量のPB 崩壊量を得るための材料配合の検討として、これらの構成比を参考にBoli の作成を行うこととし、沈降性バリウムを65%、成型圧力を100MPa に固定して、PB と蜜蝋の配合割合の検討を行った。成型したBoli を43℃に保った恒温振盪水槽に沈め、振盪回数80rpm で24 時間振盪を行った。結果:蜜蝋の割合を15、10、8、5、3%とした場合、蜜蝋8%以下の配合で5g 以上のPB 崩壊量が得られた。 【実験Ⅱ】方法:実験Ⅰの結果を踏まえ、蜜蝋3、5、8%の配合割合で成型圧力を200、300、400MPa に変えPB 崩壊量を検討した。結果:蜜蝋8%、400MPa で作成したBoli は割れることなく、約2g のPB 崩壊量であった。蜜蝋5%および3%では、圧力400MPa でもPB が多量に崩壊したり、Boli の割れが目立った。 【実験Ⅲ】方法:実験Ⅱの結果を踏まえ、継続的に一定量のPB が崩壊するか検討を行った。PB:27%、沈降性バリウム: 65%、蜜蝋: 8%、成型圧力400MPa で作成したBoli を連続3 日間振盪実験を行いPB 崩壊量を評価した。結果:Boli のPB 崩壊量は、個体差と日間差が大きく、一定の崩壊量が得られず、課題が残った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、泌乳牛に磁性体PBを投与し放射性セシウムの吸収阻害効果の評価および糞からのセシウムの回収の実証試験を行う予定であり、PBが飼料添加剤あるいは獣医薬として認可されていないことから、この試験に供試する泌乳牛は廃用予定牛を購入して確保する計画であった。しかし、平成26年度は夏季の高温が続き、全国において生乳の生産量が予定量よりも大きく下回ったことから、廃用予定牛の確保に困難を極め、試験を実施するのに十分な数の乳牛が集まらず、試験の実施を延期せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に予定した、泌乳牛に磁性体PBを投与し放射性セシウムの吸収阻害効果の評価および糞からのセシウムの回収の実証試験を行うため、宮城県および福島県の関係協力機関に広く協力を呼びかけ、試験を実施するのに必要な泌乳牛の確保に努める。ヤギによる試験で試験の方法は確立されているので、供試牛さえ整えられれば当初に予定した試験の実施に大きな問題はないと考えている。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、泌乳牛に磁性体PBを投与し放射性セシウムの吸収阻害効果の評価および糞からのセシウムの回収の実証試験を行う予定であり、PBが飼料添加剤あるいは獣医薬として認可されていないことから、この試験に供試する泌乳牛は廃用予定牛を購入して確保する計画であった。しかし、平成26年度は夏季の高温が続き、全国において生乳の生産量が予定量よりも大きく下回ったことから、廃用予定牛が少なく、その確保に困難を極め、試験を実施するのに十分な数の乳牛が集まらず、試験の実施を延期せざるを得なかった。本研究では、供試する乳牛の購入費が大きな割合を占めているので多大な次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
宮城県および福島県の関係協力機関に広く協力を呼びかけ、試験を実施するのに必要な泌乳牛の確保し、その購入費に充当する。それにより当初に予定した、泌乳牛に磁性体PBを投与し放射性セシウムの吸収阻害効果の評価および糞からのセシウムの回収の実証試験を行う。
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