2014 Fiscal Year Annual Research Report
テレプレゼンスにおける身体イメージのプロジェクションに関する研究
Project/Area Number |
25540090
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小鷹 研理 名古屋市立大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (40460050)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 身体所有感 / 身体変形感 / 背面タッチインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
まず初年度に開発した背面タッチ型インタフェースシステム「Rubber Hand Pointer(RHP)」の操作感について、評価実験を行った。RHPは、背面に設置したトラックパッドで五本の指の位置を検出し、ユーザの指の動きと連動して、ディスプレイ上に表示される五つのポインタの位置が変化するものである(運動感覚・視覚間同期)。これら五つのポインタを修飾する線のパターンを実験要因として、被験者実験を行ったところ、線の抽象度に依らず「基部・五指イメージ」(手首から五つの指先に線が伸びているもの)と可換性のある線表現において、ポインタに対する一定レベルの身体所有感の獲得を確認した。
引き続き、本手法を「基部 - 五指イメージ」のような分節化された身体構造表現を持たない、より抽象性の強いポインタ表現に対応するため、新たに「視覚・触覚間同期」を導入した。具体的には、背面で操作を行う各指先に(振動モータによって)与える振動強度の重みを連続的に変化させるとともに、対応する画面領域に視覚的イベントを与えることで、身体空隙領域に触覚刺激が与えられたかのような感覚を誘起するシステムを構築した。円形状ポインタの位置とサイズを実験要因として被験者実験を行った結果、ポインタに対する身体所有感のレベルは、位置やサイズの影響を大きく受けずに安定的であること、さらに、サイズの大きな円形ポインタを提示した場合、背面で操作するユーザの右手が大きくなる感覚(身体変形感)が得られることがわかった。以上の結果は、ディスプレイ空間におけるポインタに身体イメージをプロジェクションするうえで、本研究の手法の有効性を示唆するものである。
また、本手法を応用し、「指が伸びる」「影を身体と感じる」「指の素材を鉄に感じる」等の錯覚が体験可能な展示「からだは戦場だよ」(岐阜・ビッカフェ, 2015.1.17-31)の企画・実施を行った。
|
Research Products
(7 results)