2013 Fiscal Year Research-status Report
遠隔操作型ロボットの人間らしさの調節による発達障害児への対話支援法の探索
Project/Area Number |
25540105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 吉央 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究グループ長 (00314534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 雄一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60418530)
宮尾 益知 独立行政法人国立成育医療研究センター, こころの診療科, 医長 (70120061)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロボット / 遠隔操作 / アンドロイド / ヒューマノイド / 自閉症 / コミュニケーション / 対話 |
Research Abstract |
本研究は,研究代表者・分担者が開発してきた子ども型ロボットや人の外観に酷似したアンドロイド,すなわち異なる人間らしさを持つ複数の人型ロボットを用いて,シームレスに人間らしさを調節することのできるロボットの遠隔操作システムを開発し,自閉症患者の支援法を確立することを目的としている. 本年度は,まず動き・自律動作の人間らしさが異なる複数の遠隔操作ロボットの開発を行った.具体的には,ぬいぐるみの人形,卓上型の小型ヒューマノイドロボット,および人に酷似したアンドロイド型ロボットを遠隔操作するシステムを構築した.特に小型ヒューマノイドロボットとアンドロイド型ロボットに関しては,遠隔操作されるロボットの視線,頷き,表情,ジェスチャといったノンバーバルチャネルの表出様式,および発話を,自由に表出できるインターフェースを開発した. 次に,異なる人間らしさを持つロボットに対する自閉症患者の反応の分析を行った.本研究では,自閉症患者が異なる人間らしさのロボットに対して,どのように異なる反応を示すのかを知ることが鍵となる.同じ自閉症患者が,異なるロボットに対する対話を体験した際にどのように異なる反応を示すかを予備実験にて観察した. さらに,人間らしさの調整による自閉症患者の対面コミュニケーション訓練法についての検討を行った.上記の予備実験の結果から,遠隔操作型ロボットを用いた人との関わりとの訓練になる可能性について,心理的な影響,およびその後に汎化するための方法論について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠隔ロボットのシステム開発が進み,今後の実験の準備がおおむね完了している.
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Strategy for Future Research Activity |
自閉症患者を対象とした対話実験を進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費として計上していた経費を,別予算(交付金)で充当したことと,アンドロイドの経年変化に合わせた保守を次年度に先送りしたため. 次年度は,実証実験のために旅費が多く必要となる.またアンドロイドの保守費用が必要になるため,繰り越した経費を使用する予定である.
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