2013 Fiscal Year Research-status Report
分裂期細胞の放射線DNA二重鎖切断修復機構解明に向けたブレークスルーを目指して
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25550023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
田内 広 茨城大学, 理学部, 教授 (70216597)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNA損傷 / DNA修復 / 相同組換え |
Research Abstract |
本課題は、相同組換え(HR)によるDNA二重鎖切断(DSB)修復における、細胞周期の分裂期(M期)での機能に着目し、クロマチン構造変換などの解析を通じて新たなアプローチを開発して、一見不合理とも思えるM期の凝縮したクロマチンにおいてHRによるDSB修復機構が起きているのかどうかを解明する糸口を掴むことを狙ったものである。M期における相同組換え機構を解析するにあたっては、独自に開発して樹立した時間および部位特異的にDSBが導入できる細胞系を用いている。この細胞を薬剤等で処理して細胞周期のM期に同調した上で、部位特異的にDSBを導入した細胞からの細胞抽出物を試料とし、DSB部位への各種タンパク質の局在に関する時間変化をChIP法により解析するものである。今年度は、ChIP法を安定に行う条件の確定を目指して、非同調の細胞でChIP解析に取り組んだが、予定していた実験補助者が取り組めなかったこともあって、思った以上に条件設定に手間取り、M期細胞での条件設定までは進むことができなかった。そのため、本格的なデータの取得開始には至っていない。しかし、次年度には複数の補助者を動員してM期細胞でのChIP条件を確定させるとともに、本格的な解析データの取得に漕ぎ着けることを目指したい。その一方で、本課題に関連する実験過程で得られた知見を含めた、修復タンパク質の機能ドメインと放射線感受性および突然変異誘発に関する学術誌論文を投稿することができ、こちらは掲載が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究過程での派生的な成果は出ているものの、本論である損傷部位へのタンパク質集積の解析については、ChIP解析の条件決定に手間取ったため、本格的な解析には進んでいない。そのため、全体としてはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間の課題であるため残り時間が少ないが、平成26年度中に複数の補助者の協力を得て本格的なデータを取得し、新たな研究展開につながる課題を見つけ出すことを目指す予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬価格等の変動による差額が生じたため。 次年度経費における消費税増税差額等にあてる
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[Journal Article] utations in the FHA-domain of ectopically expressed NBS1 lead to radiosensitization and to no increase in somatic mutation rates via a partial suppression of homologous recombination2014
Author(s)
Ohara, M., Funyu, Y., Ebara, S., Sakamoto, Y., Seki, R., Iijima, K., Ohishi, A., Kobayashi, J., Komatsu, K., Tachibana, A., Tauchi, H.
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Journal Title
Journal of Radiation Research
Volume: 55
Pages: 未定
DOI
Peer Reviewed
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