2013 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム変異を指標とした生物学的被ばく線量推定法の開発
Project/Area Number |
25550033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉浦 孝一郎 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00304931)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線 / DNA変異 / dUTP / DNAポリメラーゼ |
Research Abstract |
目的は,生物学的被ばく線量測定法の開発(development of biological dosimetry method)である。放射線被ばく影響の定量的測定法としてゲノム変異を指標とする方法開発の基礎研究を行うことである。放射線被ばく量ぼ生物学的線量測定法は未だに感度の高い測定法はなく,末梢血の染色体検査による転座等の染色体異常数のカウントに頼っているのが現状である。本研究では,ゲノム変化を指標として,低線量の被ばく時でも被ばく後に被ばく線量の推定が出来ないかと考え,生物学的被ばく線量測定法の開発の基礎研究を目的とする。 本年度は,少量のゲノムDNAから次世代シーケンサーに供する DNA 断片ライブラリーの作成を行った。phi29 DNA polymerase,あるいは dUTP が混合された dNTP を使ってDNA増幅が可能なphi29 DNA polymerase以外の DNA polymerase 探しを行った。また,Uracil DNA Glycosilase 等の酵素を組み合わせての dUTP 取り込み部位の二本鎖切断のプロトコールを作成した。また,dUTP取り込み部位の二本鎖切断からシーケンスのための DNA ライブラリー作成プロトコール作成まで終了した。 来年度には,一細胞相当の DNA からライブラリー作成を行い,次世代シーケンサーを用いて放射線によって惹起される DNA 変異率の測定を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,DNA変異率測定のための DNA ライブラリー作成手順の適正化をはかった。一細胞から開始した DNA ライブラリー作成までは至っていないが,プロトコール自体はおおむね完了した。 順調に進んでおり,平成26年度には一細胞からのDNAライブラリー作成と放射線障害によるDNA 損傷率の測定まで進む基礎データをそろえることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでおり,平成26年度には一細胞からのDNAライブラリー作成と放射線障害によるDNA 損傷率の測定まで進む基礎データをそろえることが出来た。 平成26年度には,細胞への放射線照射 -> 細胞単離 -> DNAライブラリー作成 と進めて,放射線照射による DNA 変異率の測定を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度は,一細胞からのDNAライブラリー作成に向けたプロトコール整備に時間をかけた。従って,費用のかかる次世代型シーケンサーのシーケンス作業は,後回しになり差額が生じた。 初年度に手順は,全て作成したので,平成26年度に次世代シーケンサーによる塩基配列決定に使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Malfunction of the ERCC1/XPF endonuclease results in diverse clinical manifestations and causes three nucleotide excision-repair-deficient disorders, Cockayne Syndrome, xeroderma pigmentosum and Fanconi Anemia.2013
Author(s)
Kashiyama K, Nakazawa Y, Pilz D, Guo C, Shimada M, Sasaki K, Fawcett H, Wing J, Lewin S, Carr L, Yoshiura K, Utani A, Hirano A, Yamashita S, Greenblatt D, Nardo T, Stefanini M, McGibbon D, Sarkany R, Fassihi H, Takahashi Y, Nagayama Y, Mitsutake N, Lehmann AR, and Ogi T.
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Journal Title
American Journal of Human Genetics
Volume: 92(5)
Pages: 807-819
DOI
Peer Reviewed
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