2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性糖尿病ラットにおける糖質制限食長期摂取の有効性と安全性に関する基礎的研究
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25560053
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松尾 達博 香川大学, 農学部, 教授 (20270019)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖質制限食 / 遺伝性糖尿病ラット / 高炭水化物食 / 高脂肪食 / 耐糖能 / 安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今、日本では生活習慣と社会環境の変化に伴い、糖尿病患者数が急速に増加している。日本の医療機関で糖尿病治療食として一般的に指導されているのは、カロリーを制限した高糖質食である。しかし、食後高血糖が血管障害を引き起こすことが報告されたため、糖質を多く含む現在の糖尿病治療食では不適切な可能性が示唆されている。糖質制限食の摂取は糖尿病患者の高血糖状態を短期間で劇的に改善することが報告されている。しかしながら、長期(数年~一生涯)にわたる効果と安全性については疑問視されており、実験動物を用いた糖質制限食の長期摂取による効果についても、ほとんど報告されていない。本研究では、初年度から引き続き実施継続している糖質制限食の長期摂食がラットに及ぼす影響について、実験を完了し最終的な結果を得た。 3週齢のGK 雄ラット48匹を用い、高糖質食 (HC) 群、高脂肪食 (HF) 群、糖質制限食 (LC) 群に群分けし、ラットが全匹死ぬまで飼育した。飼育期間中、各種試験を実施した。その結果、糖質制限食の開始当初は耐糖能の悪化が確認されたが、長期摂取により改善した。最終的に各群ラットの平均寿命はHC群で670±20日、HF群で679±22日、LC群で616±37日であり、各群間に有意な差は見られなかった。 以上の結果より、糖質制限食の長期摂取による寿命延長効果は得られなかったが、糖質制限食の長期摂取による有効性と安全性が示唆された
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