2013 Fiscal Year Research-status Report
ハンドヘルドテクノロジーを分析・表示装置とする近赤外線分光器の教育キットの開発
Project/Area Number |
25560093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
梅野 善雄 一関工業高等専門学校, 特任教授 (30042211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝原 巳樹雄 一関工業高等専門学校, 教授 (20290687)
川谷 亮治 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30169734)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 工学教育 / 近赤外線分光器 / グラフ電卓 / 教育キット |
Research Abstract |
■本研究の目的 本研究の目的は、成分分析や品質管理など多くの分野で使用されている近赤外線分光器を,ハンドヘルドテクノロジーを利用した教育キットとして開発することにある。このキットで所与の装置の組立てや調整をしていくことを通して,分析や計測の背後にある基本原理の理解の深化を図る。そして,そのような装置は多くの専門分野の知識が一体となって作製されていることを体験させ,異分野の知識を統合してできあがる「もの作り」のセンスを身につけさせ、工業技術者としての基礎を固めさせることを目的とする。 ■平成25年度の研究概要 近赤外線分光器の構成は、光源、集光系、スリット、回折格子、波長送りモーター、光チョッパー、光センサー、増幅器および信号処理とデータ表示部分からなる。この年度は下記のことを行った。 (1)グラフ電卓 TI-Nspire CAS のデータ入力装置である Easy Link を通して、汎用光センサーからの出力電圧をグラフ電卓で取得した。(2)Easy Link で取得したデータを画面表示して、データ解析を行うためのプログラム開発を行った。(3)グラフ電卓と汎用マイコンとのUSB接続を行う準備としてUSB接続の際のプロトコルの解析を行い、その解析を現在も継続中である。(4)モノクロメーターの自作を試みたが、既製品を改造するレベルに留まっている。その自作は、次年度に継続させたい。(5)雑音に埋もれた信号計測のため、多段型フィルターを用いてノイズをカットし、ロックイン方式の増幅器を製作した。これにより、極めて優れた信号対雑音比を実現した。(6)回折格子の制御にはステッピングモーターを用い、サインバーの回転角度を1度レベルで制御して、波長再現精度は1nmレベルの精度で実現した。(7)以上をもとにして、PCを利用して試料の分光測定が可能な装置を組み立ててスペクトル測定が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)グラフ電卓とセンサーをUSB接続した際のプロトコルの解析が十分に進んでいない。 (2)モノクロメーターを自作するにあたり、主要な部材の設計はできているが、鏡面の調整に多少手間取っている。 (3)グラフ電卓を組み込んだ試作品の完成に至っていないので、教育キットとしてのパーツ分けの検討ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
■今後の研究推進方策 (1)光センサーの信号を、グラフ電卓のデータ入力装置である Easy Link を通して受信することはできるので、データの受信自体には問題がない。今後は、受信データのグラフ電卓への画面表示や分析プログラムの開発を継続する。 (2)モノクロメーターを自作するにあたり、その部材の一つである凹面鏡の調整で手間取っているが、教育キットとしての精度が得られれば十分なので、平面鏡を利用することも視野に入れて調整する。 (3)グラフ電卓を分析・表示装置とする試作器を今年度前半までには完成させる。また、教育キットとしての効果的なパーツ分けの検討を並行して行う。
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